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「年金制度の充実や働く場の確保など、高齢者の暮らしを支える経済的な基礎が充実すること」(51.3%)、「ホームヘルパーや在宅医療サービスなど在宅ケアのしくみが充実すること」(36.7%)といった、市民が現に直面する、あるいは将来直面するであろう高齢化社会の厳しい現実間題への対策を求める声が上位を占めたが、それに止まらず「子供を生み育てやすい社会づくりを進め、人口構成自体を変えていくこと」(26.7%)といった、高齢化のみならず、少子化も考慮した都市の枠組みにまで目を向けた回答がこれに続いている。
このように、市民の高齢化対策へのニーズは多様化しており、これに対する施策はきめ細かいものであるとともに、変化の激しい実情に即応できるような新しい視点でこの問題をとらえることが必要である。
(2)「豊齢化社会」づくりと「高齢者保健福祉計画」
本市は、高齢化の進展による各種課題に先行的に対応する必要性が高まっているという問題意識に立ち、昭和63年に、国のゴールドプランに先立って総合的な高齢化対策として、21世紀の市民一人ひとりが健康で心豊かに、共に生きる社会である「豊齢化社会」の実現をめざす「仙台市『豊齢化社会』福祉計画」(サン・シルバープラン)を策定した。
この計画は、福祉と保健をはじめ医療、教育、労働、住宅、余暇、文化等の広範な諸領域を連携させた総合的なビジョンであり、「自立」「参加」「地域」「生活」を重視した地域福祉の推進を基調とし、高齢者の主体的条件に応じたサービスシステムを提示するとともに、マンパワーとその組織化の重要性を協調している。
その後、国では今世紀中の残された10年の間に、必要な各種の保健・福祉サービス、事業の整備目標を定めた「高齢者保健福祉推進十カ年戦略」(ゴールドプラン)を平成元年12月に策定し、続く平成2年6月に老人福祉法等、福祉関係8法の改正を行った。この一連の過程で、高齢者に対する保健サービスと福祉サービスとの一体的提供を図る観点から、市町村及び都道府県はこれらのサービスの実施の目標等に関する「老人保健福祉計画」の策定を行うこととされた。
本市はこれを契機として、従来の各種計画の内容を整理・統合し、「豊齢化社会」福祉計画の理念をべースに具体的な数値目標を掲げた計画として、平成5年12月に「仙台市高齢者保健福祉計画」を策定した。

 

 

 

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