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仙台市における「高齢者にやさしいまちづくり」施策の現状と課題
仙台市企画局企画課長 佐藤信夫
 
1 仙台市の高齢者施策の状況
(1)仙台市の高齢化状況と市民のニーズ
?仙台市の高齢化の状況
本市の全人口に占める65歳以上の高齢者の割合は、平成7年時点で10.8%となっており、今のところ政令指定都市の中では、千葉、川崎、横浜に次いで低い数字であるが、その割合は年々増加してきており、本市の推計では平成32年には21.4%と現在の約2倍になると予測されている。
高齢化の特徴は、多様性を伴って進行しつつある点である。介護が必要な高齢者が確実に増えている一方で、心身ともに健康な高齢者も増加してきており、就業機会を含めた社会参加のニーズも広がりつつある。また、地域毎に高齢化の進行状況に差が生じている。市の中心部等では年少者の割合が多い地区もある一方、高齢者の割合が15%を超える地区も増え始めている。住民構成の経年変化の反映として、ある時を境にして急速に高齢化が進み、高齢化率が20%に達した団地も出現している。
さらに、核家族等の進行に伴い、ひとり暮らし、あるいは夫婦だけという高齢者のみで暮らす世帯の割合も、平成2年では市内の全世帯の48%と約21軒に1軒の割合に止まっていたが、5年後の平成7年では7.7%と約14軒に1軒の割合と伸びている。
したがってこれらの状況をしっかりととらえた、地域レベルでのきめ細かなアプローチが重要となってきている。
?市民のニーズ
昨今の介護保険制度についての国民的な論議をはじめとして、高齢化社会への関心やニーズが高まってきている。
本市が新しい総合計画の策定のために行った全市民を対象のアンケート調査(平成7年12月実施)の中で、市の予算をどの施策に優先的に割り当てるべきかという問いに対し、実に回答者の4割を超える市民が、高齢化等の福祉対策を希望し(<資料1>参照)、将来の最重要課題であると回答しており、この問題への市民の関心の高さが改めて認識されている。
この調査の中で、高齢化対策の方向性について尋ねた設問に対しては、

 

 

 

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