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壮年期肝硬変患者の看護過程の展開

 

アセスメント 看護診断 期待される結果 具体案
・肝機能の代謝障害や腹部膨張により、食欲不振を生じている。その結果、食事摂取量の低下をきたし蛋白血症・低アルブミン血症を生じている。

 

 

 

 

 

 

 

 

その為、腹水や浮腫が生じ腹囲・体重の増加・尿量の減少をきたしている。

?@腹水のための腹部膨張による安楽の変調

・呼吸困難

・食欲低下・悪心

・患者が腹満感が軽減したことを表現できる。

・呼吸が楽になったことが言える。

・悪心もおさまり食事摂取量が増える。

OP:以下のことを観察し、アセスメントする

・腹水の程度

・浮腫の有無

・呼吸数、呼吸困難の程度

・胸部X-P像

・食事摂取量、水分摂取量と排泄量のバランス

・口腔内の状態

・排便、排尿の状態

・検査データ(Alb、TP、A/G比、電解質、腎機能)

・表情、言葉による表現

TP:

?@腹部の緊張をやわらげ腹部の圧迫を少なくするために、寝衣はゆったりしたものにし、セミファーラ位又は測臥位とする。

?A腹囲・尿量測定を行う。

?B指示による利尿剤を確実に用いるとともにその効果の判定を行う。

?C必要時、腹水穿刺の介助を行う。

?D呼吸困難時は、指示によりO2療法を行う。

?E便秘させないよう排便のコントロールを図る。

?F食事は一回の摂取量を少なくして回数を増やし、全体摂取量を増やすようにする。

?G水分摂取量をチェックし、必要時制限する。

?H口内の清潔を保つため、含嗽・歯みがきをする。

?I患者の訴えを傾聴し、コミュニケーションを図る。

EP:

?@安静時の必要性を説明する。

?A治療・処置の必要性を説明する。

?B深呼吸指導。

・肝細胞の変性・壊死により肝細胞へのビリルビン摂取と処理が妨げられて黄疸が出現し、それに伴ってそう痒感がみられる。

その為、不安定な精神状態

?A黄疸のためのそう痒感による睡眠パターンの障害 ・患者はそう痒感が軽減または消失したことを表現できる。

・可能な限りの睡眠習慣を維持でき、睡眠感が得られる。

OP:以下のことを観察し、アセスメントする。

・黄疸の程度

・そう痒感の部位、程度

・皮膚の状態

・睡眠の状況、熟睡感、睡眠時間

・身体活動の状態

 

 

 

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