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2地域産業の活性化

(1)生活を支える産業経済活性化計画

ア現況と課題

(ア)地域産業の構造的縮小と厳しい経営環境への対応

 「みかんと造船のまち」として推移してきた本町の地域産業は、現在、日本の産業構造・産業配置の転換の中にあって、極めて厳しい状況に直面している。

 主要産業の1つであった柑橘農業は、オレンジの輸入自由化や生産過剰による価格の低迷、経営費の高騰、農業従事者の高齢化・女性化などにより経営の不振を招き、専業農家でも農業収入で生計を立てている農家は非常に少ない状況にある。農地は傾斜地が多く農作業が困難なため、低い生産性、放任園の発生、管理不足による生産環境の悪化、品質の低下をきたしている。漁業も、昔ながらの漁業形態でそのほとんどが小規模経営の漁船漁業主体の零細漁業である。

 製造業の中心である造船業、非鉄金属業とも、石油危機や円高不況などにより大きな打撃を受け、最近は景気の回復がみられるものの雇用規模は縮小しており、特に、造船業は厳しい職場環境から若者が離れ、労働力も高齢化の傾向にある。特に、一部にあった家電・自動車部品工場や縫製工場も撤退している。

 主要産業の衰退は、小売・サービス業の業種の減少を招き、隣町の中型店、竹原市などへの顧客流出が進み地元購買率が大幅に落ちている。

 島の産業を主導してきた農業・製造業ともに構造的な転換を迫られている。これらに対応していくためには、国・県レベルの振興施策が基本とならざるを得ない要因があるものの、小規模な島独自の解決の糸口を模索することが課題となる。小規模性ゆえに「すき間市場」を開拓することが可能であり、また、地域産業の活性化にとって有効な効果を発揮できるといえる。

(イ)働く場の縮小 地域産業活動の縮小から町内での雇用の場は縮小及び不安定化しており、さらに、広域生活圏の中心都市である竹原市の都市機能集積の弱さから、働く場の拡大も困難になりつつある。特に、若者にとって魅力ある職場の確保は依然として難しい状況にある。

 現在の景況下、企業のリストラの時代において、都市地域における雇用の縮小から、島からの流出傾向に」定のブレーキがかかっているようにみえるが、景気が回復し都市地域での雇用規模が拡大すれば、再び流出速度が加速されることが懸念される。農業、工業、水産業、商業などの地域産業において、若者を中心とした労働力は年々減少し、一方、中高年齢者層の比重が高まり、地域活力の減退が深刻な段階にきているといえる。

 

 

 

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