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(4)住民相互の尊重による地域社会の形成 明るい地域社会を形成するためには、住民の誰もが個人の尊厳を重んじた人権の尊重が基本となる。

 本町では、これまで基本的人権を守るため、学校教育や社会教育をはじめとし、あらゆる機会を捉え、同和教育に関する住民の差別意識の解消を図るとともに、広報活動などを通して人権意識の啓発に努めてきた。

 また、1993年3月(平成5年)には、議会において「部落差別撤廃」宣言を議決するほか、1994年4月には「東野町における部落差別撤廃とあらゆる差別をなくすることをめざす条例」を制定し、部落差別の解消と国における「部落解放基本法」の制定を働きかけてきたところである。

 同時に、本町では、これまで同和対策事業を積極的に行い、地区の環境の著しい改善をみたものの、良好な環境を実現するためにはまだ多く事業を必要としている。地区の環境改善のための法律である「地域改善対策特定事業に係わる国の財政上の特別措置に関する法律」が今年度の1997年3月(平成8年度)で終了し、今後、国においては特別対策の期限をもって、一般対策の移行を予定している。

 しかし、現在、本町においても地区改善のための事業を多く抱えており、国の動向と対応しつつ、今後とも積極的に地区改善のための事業を進める必要がある。

 一方、本町では、これまで基盤整備事業と併せて、先に述べたように人権に係わる住民意識の啓発に取り組んできた。

 地域住民や高校生の同和問題に関する意識の状況を意識調査結果でみると次の通りである。

 ア 同和問題に関する意識の状況

 意識調査結果の中で、同和問題の関心の有無についての設問では、「大いに関心がある」と回答した住民は8.8%、「少しは関心がある」と回答した住民が41.2%と約半数の住民が同和問題に関心をもっている。

 一方、高校生に対する同様な調査では、「少しは関心がある」と回答した高校生が最も多く57.4%、「関心がない」と回答した高校生が39.3%、「大いに関心がある」と回答した高校生が3.3%となっており、住民全体よりも約16.2ポイント程度高く、同和問題への関心が高い。

 小・中・高校教育の中で同和問題に関する教育を引き続き行うとともに、住民全体に対しての同和問題に関する啓蒙活動を今後とも積極的に行い、人権に関する意識の啓発に努める必要がある。

 

 

 

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