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2 離島振興計画の変遷

 昭和28年に離島振興法が制定されて以来、これまで離島振興計画(国計画)は5次にわたって策定されている。これまでの離島振興計画の推移をまとめた結果をみると、計画策定方式の変化と計画の目標の変化が特徴的である。

(1)計画策定方式の変化 第1次計画では、離島振興対策実施地域が段階的に指定されたことに対応して離島振興計画も地域毎に段階的、個別的に設定されているのに対して、第2次計画以降においては法律の延長に伴い、10年毎に離島振興対策実施地域を包括した形で離島振興のあり方を大局的かつ長期的に示したものとなっている。

(2)計画の目標の変化 第1次計画(昭和28〜37年度)、第2次計画(昭和38〜47年度)は、離島の後進性及び本土との格差を除去するための基礎的条件の改善、産業基盤の整備に重点が置かれた。第3次計画(昭和48〜57年度)は、産業の振興と社会生活環境の整備に重点を置いており、また、今後の離島の向かうべき方向を明らかにし、それぞれの島を5類型に性格分類し、その類型別に政策目標を設定した。第4次計画(昭和58〜平成4年度)は、離島における居住環境の総合的な整備を図ることを目標としたもので、交通の総合化・体系化、それぞれの離島がもつ特性を活かした産業の自立的な振興、離島の類型に基づく生活環境の整備の3点に重点を置いた。

 現行の第5次計画(平成5〜14年度)は、大幅な内容的追加の行われた改正離島振興法を踏まえて、離島の位置づけと役割を明らかにし、類型別の振興方針をより明確にするとともに、ハード、ソフト両面にわたって総合的かつ戦略的な離島振興対策を推進することとしている。

 

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