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  3 観光・リゾート特性

   本地域の観光・リゾート特性と整備課題は、次のように概括される。

 ○ 本地域の観光資源特性は、“「霧島屋久国立公園」に代表される全国的誘致力をもつ自然景勝地ゾーゾ”を有することと、“天孫降臨伝説等、物語性豊かな小さな歴史・文化資源が多い”ことである。

 ○ えびの高原に象徴される夏季冷涼な気候条件は、避暑などを含めた高原リゾート適性の資質を有している。

 ○ その他、特色ある資源としては、小林市の農協で栽培している「ミシマサイコ」と「トウキ」の2種類の薬草があり、昨今の健康志向ブームに対応した観光活用展開の可能性を秘めている。

 ○ 観光レクリエーション施設では、自然環境や景勝地を活かしたアウトドア施設や観光農林漁業施設の多彩さに特徴があるが、県外誘致力は弱い。また、避暑適性を活かした“スポーツ・リゾート施設”、“オートキャンプ場”、“天孫降臨伝説、神楽、竹細工など、地域の歴史・文化資源を活かした見学・学習・体験型施設”の不足が指摘される。

 ○ 宿泊施設は、えびの市を中心に45軒(収容2,459名)あるが、旅館・ホテルが中心(39軒)で、国民宿舎(2軒)、民宿(4軒)といった比較的低廉な施股は少なく、ペンションも乏しいなど、種別に多彩さを欠いている。

 ○ 圏域全体の情報案内機能は未整備であり、“宮崎県の西の玄関口”にふさわしい県内・隣接県との連携を踏まえた機能整備が必要であり、また、地域の国際化の推進や、宮崎県の近隣アジア諸国客受入れ実績を踏まえ、外国人饒光向けの情報提供にも着手する必要がある。

 ○ 本地域の観光入込客数(平成6年)は約4,400千人で、近年は積這い傾向にあり、市町村別では野尻町のみ増加傾向にある。県内・外客構成はほぼ半々であるが、市町村別で県外客が半数以上を占めているのは、えびの市と高原町のみである。

 ○ 本地域の観光消費額は約44,000百万円と推計される(宮崎県全体の観光消費額の平均値から推計)が、その半数近くはえぴの市における消費額による。

 

 

 

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