○ 本地域の観光資源は、自然系資源を中心にその多くが「霧島屋久国立公園」に集積している。
○ 自然系資源は、山岳、高原、湖沼、植物、温泉など、火山帯ならではの多彩さを有し、誘致力では、国立公園区域にある「霧島山」、「えびの高原」、「生駒高原」(共にAランク)、「韓国岳」、「御池」(Bランク)や、公園区域に隣接する「狭野の杉並木」(Bランク)が全国レベル、地方レベルの高い誘致カを有している。また、誘致力評価の対象にはなっていないが、「霧島屋久国立公園」と「九州山地国定公園」についても我が国を代表する景勝地ゾーンであることから、実質的には全国レベルの誘致力を有している(Aランクに評価される)とみなすことができる、(なお、資源・施設の評価基準については、図表7を参照。)
○ 人文系資源は、天孫降臨伝説ゆかりの資源(「高千穂峰」、「皇子原」、「狭野神社」)や神楽など伝統芸能の多彩さに特徴があり、地域の物語性は豊かであるが、誘致力では「霧島東神社」、「霧島道路」が県レベルの誘致力を有する(Cランクに評価される)に留まり、総じて低いものとなっている。
○ 一方、農業分野では、小林市の農協で「ミシマサイコ」と「トウキ」という2種類の薬草を栽培しており、その他多くの山野草を含め、昨今の健康志向ブームに対応した新規資源として注目される。
○ 観光レクリエーション施設では、自然豪境や景勝地を活かしたハイキングコース、自然歩道・自然研究路、キャンプ場などアウトドア施設や、第1次産業の集積を活かした果樹園(りんご、梨、柿、ぶどう)やバラ園、栗園、牧場、湧水活用の釣場など、観光農林漁業施設の多彩さに特徴が見いだせる。また、近年では、「北きりしまコスモドーム」や「出の山淡水魚展示館」など、学習・見学施設も充実しつつある。ただし、誘致力では「出の山公園」と「県営スポーツレクリエーション施設(スケート場)jが県内レベルの誘致力を有する(Cランクに評価される)に留まり、県外誘致力は弱いものとなっている。
○ また、種別で見ると、以下のような施設の不足が見受けられる。
・避暑適性を活かしたスポーツ・リゾート施設。
・アウトドア・レクリエーション拠点としてニーズの高まっているオートキャンプ場。
・天孫降臨伝説等地域の物語性を活かした博物館などの学習施設や、ゆかりの資源を繋いだルートづくり。
・夜神楽、竹細工、伝統芸能・工芸などを見学・体験できる施設。