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 新造船の船舶コストは、表4−3−2の1995年度値によれば、最大は船員費の49.0%であり、次いで資本費の24.5%、船店費の9.1%および修繕費の6.0%という構成である。このデータからみれば、船舶コストを削減するには、第1に船員費を減らすことが必要であることはいうまでもない。その方法としては乗船員数を減らすこと(MO船の導入)や若年船員の新規雇用を促進すること等である。しかしながら、現在、若年船員の新規雇用は少なく船員の高齢化が進んでいること、さらに、労働時間短縮にともなう予備船員の確保等高コスト構造となっており、船員費の軽減は容易ではない。そのため、新しい造船技術の開発によって自動化、省力化が進められているものの内航小型船についてはかなり機械設備の増設をともない、また船舶を大型化しなければならないため、建造価格の上昇や固定資産税の増加を招くことになり、低コスト化は非常に難しくなっている。
 次善の策としての資本費や修繕費の軽減は非常に重要である。この点からみれば、以前から行なわれていた船舶整備公団による資本費(金利負担)の軽減方法として利用されてきた金融制度は、現在のような低金利下では借換えが難しくなっているため、負担増になっていると指摘する業者も多い。いずれにしても自己資本の充実や借換えによる資本費の軽減を図る必要があろう。また、船底費についても高い機能を持ち操作も簡単になり安価となったパソコンを導入して、計算事務や船員管理の低コスト化を図っていく必要があろう。さらにコスト削減策として修繕費の軽減も大きな課題となっており、現在でも中間検査内容の軽減等が進められている。
 用船料については元請オペレーターは用船料の削減はいうまでもなく、船舶の定期検査のためのドッ

 

 

 

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