日本財団 図書館


 

方策1 夕一ミナルの通年フル稼働化  

1)背景とねらい  

 夜間・休日荷役は、船社にとって最適な運航スケジュールの設定を可能とするが、わが国の港湾はその実施が暫定的なものである上、料金が割増となるため、わが国の港湾の問題点として指摘されている。特に、環黄海圏の積み替え港湾としてトランシップの促進を図るためには、24時間稼働による利便性の向上が不可欠である。
 また、夜間・休日荷役の実施は、コンテナターミナルの稼働率向上を可能とし、荷主からみた物流コストの低減にも寄与する。
 このため、労使間の協調を基本として、夜間・休日荷役を割高感を与えない料金で実施する。  

2)事例研究からの示唆  

 ・清水港では、京浜と名古屋の中間にあるという立地特性を活かし、夜間本船荷役を実施することにより、船社の運航スケジュールヘの影響を最小限に抑えることができる。このため、早くから夜間荷役を実施し、北米航路などの基幹航路の寄港を実現させている。  

 ・香港、シンガポール、高雄、釜山では、より多くのコンテナを取り扱い、ターミナルの利用効率を高めるため、夜間荷役の実施が不可欠となっている。  

 関門港においても、夜間荷役の実施により、新規航路誘致の可能性が高まることに加え、ターミナル用地不足の問題の解決にも寄与すると考えられる。  

3)方策の概要

 夜間・休日における本船荷役を本格的に実施するとともに、ターミナルの稼働率向上や自動化・情報化などの効果を活用することによって実現させ、そのコストを最小限に抑える。  

4)期待される効果
 

 ・船社の運航スケジュールの自由度向上と関門港への航路開設の促進  

 ・ターミナル稼働率向上によるコスト低減等  

5)実現に向けた課題  

 ・港湾運送業などにおける労使間の協調による円滑な実施  

 ・CY,CFSの搬出入や通関などの夜間・休日稼働の必要性の検討 等

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION