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済にとって自由貿易市場の拡大は不可欠との観点から、積極的な推進を行っている。EC委員会とNATO本部とを首都ブリュッセルに設置しているのは、この意味でも象徴的である。
ベルギーの貿易動向を地域別にみると、輸出入ともEC諸国が大きなウェイトを占め、輸出入とも約80%が対欧州である。
わが国との貿易関係は、輸出が約1.3%、輸入が3.5%程度と、その占める比重は極めて僅かであるが、ベルギー側は対日輸出の増大による対日貿易バランスの改善に強い意欲を示すとともに、企業誘致、産業協力の推進に積極的である。
わが国とベルギーとの国交は、1866年の修好通商航海条約の締結によって開かれ、ベルギーは1870年に東京に公使館を設置し、わが国は1873年にブリュッセルに公使館を開設した。第1次大戦後の1921年にそれぞれ大使館に昇格した。
第2次大戦中の国交は断絶したが、1952年サン・フランシスコ平和条約の発効に伴い再開された。
現在、ベルギーは東京に大使館、大阪に総領事館を、また、札幌、名古屋、広島、福岡に名誉領事館を置き、わが国はブリュッセルに大使館、アントワープに名誉総領事を置いている。
両国とも経済的には天然資源に恵まれず、貿易立国を国是とする点が共通している。ECの本部がブリュッセルに置かれていることは、わが国の政界、業界の注目をベルギーに惹き、一方、ベルギーは貿易市場として、アジアでは特に日本に注目している。
日本とベルギーとの貿易は、相対的に余り大きな比重をもっていないが、近年その貿易額は着実に拡大している。
90年の日本の対ベルギー貿易、輸出が前年比10.2%増の38億700万ドル、輸入は8.9%増加して15億5,700万ドルとなり、日本の輸出が輸入の2.44倍という大幅な黒字(22憶5,O00万ドル)を記録し、わが国の大幅な出超傾向が続いている。
 
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