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その他の競争相手国は、いずれも多年に亘って経験と実績を積んでいるので、またベルギーの必要とする船舶は高度の技術を必要としない一般的な船舶が多いので各国間に技術面、品質などの点で差異はない。
また、延払いは国際協約が守られているので、これら各国間に大差はみられないが、船価については、わが国は最近における急激な円高の昂進により、優位性を失いつつある。
(B)輸出対策
ベルギーは、オランダ、ルクセンブルグと共にベネルクス経済同盟(BEU)を組織し、欧州経済共同体(EEC)にも加盟しており、また、地理的にも欧州における交通上の要衝を占めていることから、経済、貿易共に欧州先進工業国との交流は緊密であり、依存度は高い。
ベルギーは、天然資源も石炭を除いては余り恵まれていないので、必然的に加工貿易にその活路を見出しており、ベルギー経済の貿易依存度の高いことから、自由貿易を堅持している。
石油化学工業・機械工業などベルギーの主要工業は、その発展を外資系企業に負うところが多く、ベルギー政府は外国資本の投資を積極的に誘致している。
従来ベルギー経済を支えてきた石炭、鉄鋼、繊維、化学など基礎産業が次々に斜陽化に追い込まれてきているため、最近では情報・通信産業、エレクトロニックス、バイオテクノロジーなど先端産業への外国資本の投資を歓迎している。
これに対応して、各競争相手国はそれぞれ自国資本によりベルギー市場への進出を図り、これを拠点として、ベルギーおよびEC諸国への輸出拡大に努力している。
(C)ベルギーに対する歴史的、経済的なつながり
西欧の中枢に位置し、古くから交通の要衝として栄えたベルギーは、自然国境をもたないため、その歴史を通じて幾多の侵略を受け辛酸をなめてきた。
このため、世界大戦後のベルギーは、友邦各国との協調による安全保障の確保と自国経済の向上を目指し、欧州経済共同体(EC)の設立に当っては、国土が狭小なこと、GNPの50%を貿易によって稼ぎ出していることなどから、ベルギー経
 
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