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ブルガリア



(1)一般事情

ブルガリアは、欧州南東部のバルカン半島の東部に位置し、南はトルコおよびギリシア、西は旧ユーゴスラビア、北はルーマニアと、それぞれ国境を接し東は黒海に面している。

国の中央部を束西にバルカン山脈が連なり、その北部は主にドナウ川流域の台地、南部もなだらかな平野を形成している。

海抜200メートル以下の低地は国土面積の31.5%に過ぎず、200〜600メートルの丘陵地帯が40.9%、残りの27.6%が600メートル以上の山地となっている。

国土面積は110,994平方km(日本の0.29倍)で、人口は898万9,200人(90年12月末現在)、人口密度は1平方?当り81人である。

気候は全般的に温暖で、特に南部地方はバルカン山脈が北方からの寒気をさえぎっているため暖かい。冬から春にかけて雨が多く、夏から秋の季節は比較的乾燥している。首都ソフィア(人口約114万人)の月別平均気温は、1月が28°F(一2.2℃)、7月が69°F(20.6℃)であり年間降水量は635mmである。

住民を民族別にみると、ブルガリア人85.3%、トルコ人8.5%・ジプシー2.6%・マケドニア人2.5%、アルメニア人0.3%、ロシア人0.2%、その他0.6%となっている。

ブルガリア人はスラブ民族で、旧ユーゴスラビアに居住するセルビア人などと共に南スラブ人に属す。トルコ人が比較的多いのは、かってトルコに支配されていたからである。

言語は、ブルガリア語(スラブ語系)が公用語として使用されている。宗教は、住民の85%がブルガリア正教(キリスト教)、13%がイスラム教(回教)・ユダヤ教が0.8%、ローマ・カトリック教が0.7%、その他0.5%となっている。

ブルガリアは、本来肥沃な土地と温暖な気候に恵まれた農業国であったが、第2次世界大戦後、社会主義国として発足して以来、旧ソ連の主導の下で重化学工業化を推進してきた。その結果、国民所得に占める鉱工業生産の比重は増大したが農業





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