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ている。サンパウロからサントスに至る62kmの鉄道は、コーヒーの輸送路として建設されたものである。
 リオデジャネイロは、サンパウロに次ぐ大工業地帯である。美しい風景と港湾で名高く、世界3大美港の一つといわれ、世界的保養地でもある。
 世銀(世界銀行)の推定によると、1992年におけるブラジルの国民総生産(GNP)は、1990〜92年の平均価格をベースにして算定すると、4,254億1,200万米ドルであり、ブラジル国民1人当り2,770米ドルに相当する。
 1985〜92年の期間に国民1人当りのGNPは、実質で平均年率0.7%の割合で減少したものと推定される。
 この期間(85〜92年)にブラジルの人口は、年平均1.8%の割合で増加している。
 ブラジルの国内総生産(GDP)は、1980〜91年の期間に、実質で年平均2.5%の割合で増加した。
 農業部門(林・漁業を含む)は、1992年には労働人口の23.1%を雇用し、GDPへの寄与率は10.0%を占めた。
 主要換金作物は、大豆(1992年には輸出収入全体の約8%を占めている)、コーヒー(同2.7%)、タバコ、砂糖きび、ココア豆などである。
 ブラジル産の大豆が世界総生産量に占める比率は、92年には25%以上も占めるまでに伸び、ブラジルの有力な輸出商品に成長した。
 日本のブラジル大豆輸入量は約70万トン(92年)で、米国産に次いで第2位となっている。
 コーヒーは、ブラジルの代表的な輸出商品であるが、近年は世界の生産量に占めるシェアは低下している。
 1989年以降、国際コーヒー協定の輸出割当制度が停止されたため、価格競争も激化し、国際市況は低迷している。
 一方、ブラジル国内においても、年度によっては霜害が発生し、特に主要生産地のサンパウロ、パラナ両州の被害が大きかった。
 カカオ豆は、輸出作物であるが、生産量は1990年の356千トンから、92年は343千トンに低下したため、カカオ豆の輸出も減少している。
 牛肉および家禽窺の生産もまた重要である。牧畜業では、牛をはじめ家畜の飼

 

 

 

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