食用魚が豊富に生息しており、水産業に恵まれた国である。
この水域は水産資源が豊富ではあるが、チリの水産業が発展段階に入ったのは、チリ北部水域でアンチョビーの開発が開始された1955年以降である。
その後、同国水産業の積極的な振興を図るため、漁業振興法が制定され、その実施に伴う魚粉・魚油製造業に対する政府の助成策などによって、チリの水産業は急速に発展し、漁獲量では南米第1位となっている。
チリの北部地方では、主に旋網(巾着網)によって、イワシ、サバ、アジなどの浮魚類を捕獲して、魚粉の材料としている。
中部地方では、主にトロールによって、メルルーサ、伊勢エビ、その他エビなどの底無類を捕獲しており、これらは冷凍肉、缶詰などの食品に加工されている。
南部地方は海が荒れ、国内点船による漁業はあまり行われておらず、そのため、この水域では外国船に許可を与えて、トロールによるメルルーサを中心とした漁業が行われている。
漁獲量は、1983〜87年にかけて400万トンから500万トン台で推移していたが、1991年には600万トンに増加し、翌92年は650万トンを記録している。
最近における漁獲量は、次の通りである。