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従って、船舶取引には各保有船主の担当部門と直接接触できるような体制を整えて置くことが望ましい。

 このため、常時PR、情報の提供や入手に努めることが必要であり、これが取引のチャンスを得るルートになると考えられる。

(7)輸出対策

 エクアドルの貿易構造をみると、輸出入ともに米国が最大の取引先となっており、エクアドル経済における米国依存の現状に如実に表わしている。

 エクアドルは、LAIA(ラインアメリカ統合連合)の一員であり、その加盟諸国に対し輸入品目により、無税もしくは特恵関税など特別措置を講じている。

 その中で、LAIA加盟国のブラジルは、新興造船国として断然頭角を現わしており、域内のエクアドルとは地理的条件、特恵の恩典など相互に有利な条件があるので、船舶輸出については他の先進造船国と比べ、極めて有利な立場に置かれている。

また、旧宗主国をはじめ欧州諸国は、エクアドル貿易におけるシェアを年々拡大しつつあり、将来のエクアドル経済発展に伴う船舶需要を期待しつつ、各自の基盤づくりに努力している。

 これに対し、わが国の対エクアドル輸出は、エクアドル総輸入額の約14%(88年実績)を占め、米国に次いで第2位の座を占めていたが、89年にはブラジルの目覚しい攻勢に敗れ、わが国のツェアは9%以下に落ち、ブラジルに次ぐ第3位となった。

 わが国がエクアドル市場において優位を維持するためには、今後とも経済・技術の両面で協力し、輸出の拡大を目指すことが必要である。

(8)エクアドルに対する歴史的、経済的なつながり

 エクアドルは、16世紀の初めまではインカ帝国の統治下にあったが、1533年にスペイン人フランシスコ・ピサロの指揮する遠征軍によってインカ帝国は滅亡し、ス

 

 

 

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