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(B)海運事情と保有船主の実態

 原油輸出の開始以来、急速な発展を遂げたベネズエラは、石油主導型の経済開発の推進に伴って、輸出入貨物の海上輸送量が減増したことと、国内の経済ナショナリズムの動きが活発化したことなどから、政府は自国海運の強化・育成、商船隊の増強に力を入れてきた。

 そのため、国営海運会社およびその同盟船を使用して、ベネズエラに輸送される工業用資材には輸入税免除の特典を与えるなど各種の助成策が講じられている。

 ベネズエラは、78年に商船隊保護開発法を公布し、自国船優先政策により海運事業の拡充を図ってきたが、自国船積取比率は87年で輸出入とも11%程度で、目標達成にはほど遠い状況であり、また保有船腹は平均船令も11.3年(90年1月現在)と老朽化が目立っている。

 ベネズエラは外航のほかに、大きな湖や河川があるので、これら内陸水路による貨客輸送も発達している。

 河川のうち、ベネズエラ最大のオリノコ河(延べ2,575キロ)は、河口から約600キロ上流のシゥダード・ボリバルまで外航船の航行が可能である。

 同国最大のマラカイボ湖(水域約7,000平方マイル)は、幅5〜17キロの海峡を

 

 

 

 

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