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コロンビア

(1)一般事情

 コロンビアは、南米大陸の北西部に位置し、北はカリブ海に面し、西は大平洋に臨み、海岸線の総延長は2,900キロ(カリブ海側1,600キロ、太平洋側1,300キロ)にも及んでいる。また、束はベネズエラとブラジル、南はペルー及びエクアドルと、それぞれ国境を接し、北西部はパナマを経て中央アメリカに接続している。

 面積は1,141,748平方キロメートル(わが国の3倍強)、人口は約3,232万人(89年央推定)、うちうち首都ボゴタは約424万人である。

 住民の80%は、海抜1,000〜2,000mの気候温暖なアンデス山脈の高原地域に居住し、高原都市をつくっている。

 首都ボゴタは海抜2,600mにあるため、1月の平均気温は14.4℃、7月は13.9℃で、降雨量は年間平均1,052mである。

 人種は、総人口の68%が混血、20%が白人、7%がインディオ(原住民)、5%が黒人である。

 宗教は、国民の95%がローマカトリック教徒、その他少数がプロテスタント、ユダヤ教徒などである。

 言語は、公用語のスペイン語が広く一般に使用されている。

 コロンビア経済の特徴は、農産品、とくにコーヒーに大きく依存していることであり、このため、コーヒーの国際相場の変動に経済動向を左右される不安定な構造となっている。

 1970年代以降の工業化の進展に伴って、GDP(国内総生産)に占める農林水産業の比重は、70年代の26.3%から88年には19.0%、89年16.7%と低下し、製造業の比重(70年18.6%、88年20.0%、89年20.0%)を下回るに至った。

 しかし、農林水産業には全労働人口の約29%(88年)が従事し、製造業の13.0%の倍以上を占めており、輸出総額に占める農産品の割合は89年においても42.2%(コーヒーだけでも31%強)の高率であることなどを考慮に入れると、コロンビアの基幹産業は依然として農業部門であるといえる。

 

 

 

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