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(D)契約条件

 バングラデシュにおける輸入代金の決済は、現金、クレジット、バーターなど、いずれによっても決済が認められているので、取引きの交渉過程で、国内の経済事情、外貨事情などからして当然、長期のクレジットやバーターとすることを契約条件とするよう要求するものと思われる。
 過去の例を見ると、一般にバーター取引きの件数は少なく、長期のクレジット供与が多い。
 船舶輸入の場合も、延払いが不可欠の条件となっている。

(E)取引ルート

 バングラデシュにおける輸入は、政府または政府機関によって行われるのが大部分であり、その計画および決定は、企画、貿易、運輸などの関係各省、関係公社、輸入管理局などの各関係担当者などであり、何れも政府機関の者のみである。
 従って、これらの関係各省、その他計画関係者などと接触し、計画、資金などの面について事前に知っておくことが有利であり、取引きルートヘの道を開く一つの手段である。

(7)競争相手国との競走条件の比較

(A)延払い、船価、品質等条件の比較

 バングラデシュの輸入船舶は、特殊技術を必要としない一般貨物船、小型オイルタンカー、漁船、曳船などである。
 従って、品質の点では、競争相手国との問に特に優劣の差はなく、同様の水準にある。
 競走相手国との比較では、わが国は正確な短納期の点で優位にある。
 しかし、船価、支払条件については、わが国は特殊のケースを除いては、一般に常識的、国際慣習の枠内で処理するのに対し、韓国その他の新興造船国は、国際的慣習を無視した、もしくは政治的考慮を加味した条件を提示することが多く、わが国にとって不利な場合がある。

 

 

 

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