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第2章修繕に関する安全法規

1.関係法規の種類

国は、自動車、鉄道車両、船舶、航空機等の輸送機関の安全を確保し、国民の人命及び財産を保護するため、各種の公法規定を設けている。
船舶は、その航行に特殊の危険を伴うばかりでなく、海上にあり、国の監督も制約されるため、海運の発展とともに多数の海事法が整備されて、今日に至っている。
船舶の安全確保の手段として国が規制しているものは、
(1)船舶の構造、設備に関するもの(物)
(2)乗組員の行為、資格に関するもの(取扱い)
(3)海上での交通法規などに関するもの(運航)
(4)事故の原因追求に関するもの(再発防止)
の4つが主なものである。
これらの法令(法律と政令、省令)は運輸省が所管しており、(1)については海上技術安全局、(2)については同局船員部、(3)については海上保安庁、(4)については海難審判庁がそれぞれ分担している。また運輸省の機構は「図−1運輸省機構図」のとおりとなっている。
主な法律は、次のとおりである。
(1)船舶の構造、設備に関するもの(物)
(a)船舶安全法
船舶の堪航性と人命の安全を保持するため諸施設の基準及び設置義務を定め、これらの諸施設の定期的な検査を義務づけることにより船舶の安全を確保するための法律
(b)海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(船の構造、設備に係る部分)
船舶等から海洋への油及び廃棄物の排出を防止するための構造、設備について、基準及び設置義務を定め、これらの構造、設備について定期的な検査を義務づけている法律
また、排出された油、廃棄物その他の物の防除、海上火災の発生及び拡大の防止、海上火災等に伴う船舶交通の危険防止についても規定している。
これらにより、海洋の汚染及び海上災害を防止し、海洋環境の保全、国民の生命、身体及び財産の保護を目的としている。

 

 

 

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