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7.4 計測機器の精度管理
管理舶用機関・機器の整備・修理において計測作業は数値化したデータによる判断、処置のための重要な作業である。デジタル計測器の進歩により読取り精度の向上、自動記録による読取り・記録ミスの予防など作業の改善が図られているが、まだ計測作業の大部分は人手によるものであり作業管理、精度管理が欠かせない。
計測にあたっては、計測作業標準を制定し、計測箇所、計測方法、計測器の種類などを決め、周囲条件、部品の熱影響などを考慮しておくことが大切である。
計測機器管理には次の内容が含まれる。
? 計測機器の登録。
? 計測機器の精度管理。
? 計測機器の修理、更新計画。
(1) 計測機器の登録
品質管理の点でも計測機器の精度が常に維持されていることは絶対条件であり、精度不良のものが混在することのないよう細心の管理が必要である。従って、計測機器は漏れなく把握され、登録され、日常検査や定期検定を確実に実施し、精度記録を行うなど、管理体制を確立しなければならない。
計測機器の登録は、計測機器台帳を作成し、種類、名称、形式、サイズ、容量、付属品、管理番号、製造者名、購入年月のほか、検査記録、修理記録、整備記録、精度級などを明確にしておくことが必要である。
また、計測機器の管理については、集中管理方式を採用して貸出記録をとり、専門担当者による点検、整備、検定を行うことが望ましいが、要は管理の徹底を計ることであり、事業所に適した管理要領を設定すべきである。
(2) 計測機器の精度管理計測機器の精度管理については、基準器、標準器の管理がその基本であり、計量法などにより定められた基準器検定に合格したもの、またはこれに準じた検査に合格したものを基準とし、これにより比較、較生されたものを用いる必要がある。
計測機器の定期検定については、次の項目を明確に制定しておくことが必要である。
? 定期検定の実施区分
担当者(部門)は事業場の計測機器全てについて、担当者(部門)が検定するのか専門メーカに委託するのかを個々の計測器について決定しておく。

 

 

 

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