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(9) 特採システム(再審制度)の設定
受入検査、工程検査、製品検査時に、規格にはずれた製品をやむを得ない事情によって特別に採用したい場合に行う特採制度について設定すること。
(10) 面および技術資料の管理およびその変更管理制度の設定
図面や技術資料は最も新しいものが常に必要な場所にゆきわたっていることが必要であり、古い図面で製品を加工してもそれは良品とはならない。そのための管理方法を制度化すること。
(1l) 品質記録の保管制度の設定
試験、検査の記録、工場実験の報告、その他の管理記録についての保管制度をつくること、そして製品の品質履歴が明確にされ、その追求と把握、すなわち「トレーサビリティ」についてシステムが明確にできていることが大切である。
(12) 品質管理業務の監査制度の設定
品質管理の実施状況を確認し、その成果を評価し、今後の計画に役立てるために、品質管理業務の監査を行うこと。
(13) 検査制度の設定
製品検査、工程検査、受入検査の制度化を行うこと。
2.12 製造物責任(PL)
(1) 製造物責任(PL)とは
製造物責任は、英語でProduct LiabiIity略してPLというが、日本のQC界では製品責任と訳して使用している場合もある。
これは製造物あるいは製品に欠陥があったために、使用者あるいは第三者の、身体または財産に危害を与えたり、経済的損失を与えた場合の損害賠償責任の問題をいう。
このような事故の解決対策としては、各メーカーが品質管理、信頼性管理、検査管理などの品質保証活動を中心とした全社的生産活動を今一層充実して実施すると同時に、不測の事態に備えて危機管理体制を社内に確立し、そして製造物賠償責任保険に加入することも一策と考えられる。
わが国においても、平成7年製造物責任法(PL法)が施行され、従来の民法709条(不法行為責任)の「過失責任主義」から欠陥責任主義」へと責任原則が転換された。これからは被害者が損害賠償請求する場合、これまでの「製造業者等の故意または過失」に代えて「製品の欠陥」を立証することになった。

 

 

 

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