日本財団 図書館


 

IC(Part500)で整理しようとしている。AP−216 Ship Moulded Formsについては、ARMが終了しAIMへの展開が始まっており、きわめて興味深い段階である。また、本プロジェクトでも検討したCORBAについても標準化する方向である。
STEP関連のMARIS,SEASPRITE等の海外プロジェクトが欧米ではじめられた。いずれも、情報システムを中心にして建造・運航をスコープに入れてSTEPのデータ構造を用いる。今後、運航やメインテナンス関係のデータ構造を定義する必要がある。米国では、船上情報ネットワークシステムの規格をASTMに出しており、やがてこれをSTEPとして提案したいとしている。
なお、船用APの今後の予定を表6.2−2に示す。
6.2.2STEP関連の実証的研究
本年度は、前年度に購入したStepTools社のST−developer等の製品を用いて、EXPRESS言語と今後GPMEを通して定義されるObjectStore上に実装されたデータ構造との間のデータ交換を行った。STEPのAP218船体構造データを中心に、AP−215Ship ArrangementなどSTEPの言語EXPRESSで表わされたデータを、ST−developerを用いてObjectStore上に展開し、必要な設計機能をObjectStore上に追加した。これにより、GPMEで定義されるであろうデータ構造とSTEPデータ構造との関連を容易に表現できることを確認すると共に、STEPデータと設計用プロダクトモデルの相互のあり方等について検討を加えた。
6.3 CORBA2.0
現在最新バージョンのCORBAは1995年7月に発行されたCORBA2.0である。これはCORBA1.2からのアップグレードであり、1989年のOMG設立から6年かかってできあがったものである。CORBA2.0の一番の特徴はORB(Object Request Broker)間Interoperabilityの実現であり、これによって結合できるコンピュータシステムの世界が大きく広がったことになる。
このCORBA2.0からORB間のInteroperabilityが標準化された。Interoperabilityは日本語にすると”相互運用性”という単語になる。何の相互運用性がというと、もちろん不均質な分散環境中のオブジェクト(Software資源)ということになるが、それを実現するためにはCORBA2.0で初めて取り入れられたORB間のInteroperabilityを実現しなければ不可能である。それはなぜなら、異なるORB製品が市場に幾つも出ていて、開発者はその嗜好と目的によって、あるORBを選択しシステムを開発するからである。基本的に、自社のORBと他社のORBは機能は似ていても、CORBA機能の実装方法が違うため、それぞれのORBでつくられたコンピュータシステム間の相互通信はそのままでは不可能である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION