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3.3.4構造設計
今回の研究にて開発した構造設計に関するFLは、構造設計業務を支援するプロダクトモデルを構築し、操作するためのライブラリとして、特に次のような要求に重点をおいて構成した。
・船体構造設計の初期計画段階から詳細設計段階までをカバーできる。
・設計初期の段階から物量情報を取り出すことができる。
・設計における変更処理に対応できる。
このような考え方のもとに実現させた構造設計に関するFLは、58のクラスと約2200のメソッドから構成される。これらのクラスは、下記に示すようなグループに分類され、構造設計に関する汎用の情報(区画配置、部材の配置、部材の形状寸法、部品の形状寸法、ブロック分割)を生成、操作、抽出できるようになっている。
(1)機能要素グループ
区画や区画を構成する壁といった船舶そのものの機能である載貨や船型に密接に関連した情報を表現するグループ。
基本計画段階の業務の支援を可能にするとともに、構造設計の初期段階における部材定義のための情報を与えることが可能となる。
(2)部材グループ
一つの連続した形状を有し、製品構造の構成要素となる部材と、部材間の各種の依存関係を表現するグループ。
設計対象となる部材の配置、形状、寸法を定義し、操作するとともに、ブロック分割によって部材の任意の領域をブロックと関係付けることにより、設計の初期の段階で物量情報を取り出すことが可能となる。
(3)部品グループ
製品を製造するために分割した最小の構成単位である部品と、部品の組み立てのための部品間の接続の関係を表現するグループ。
部品そのものの情報と部品間の接続の情報は、部材の情報から自動的に生成される。また、部品生成後は、もとの部材の変更による影響の及ぶ範囲を限定すること、そして部品を参照する加工・組み立てや生産管理の情報との整合性の保持を支援すること、ができるような機能を有する。

 

 

 

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