日本財団 図書館


 

3.3章を参照されたい。
通常、オントロジの表現は、OMT記法(Object Modeling Technique)などを用いた論理的なオブジェクト指向分析結果としてなされるが、これのC++による物理的な実装方法はさまざまなものが考えられる。特に、インスタンスの生成、削除、リンクの作成、切断、属性値へのアクセスといった基本的な仕組みの提供は、オントロジの実装には不可欠であるにも関わらず機械的で手間がかかり、また、統一した実装方針の元に提供しないと後の拡張性やメンテナンスの効率を著しく下げることになる。
GPMEにおけるCFLやEFLは、その論理表現がOntoEditorで定義され、OntoEditorからソースコードを生成する仕組みを取っている。OntoEditor上でクラスやクラス間の関係を論理的なレベルで記述すれば、生成されたソースコードには自動的にインスタンス生成、削除、リンクの作成、削除、属性のアクセスメソッド、属性値のチェックメソッド等が付加される。これにより、EFLを構築しようとするユーザは、最も本質的で人間の能力をを必要とするユーザ定義メソッドの内部処理記述に専念することができる。
(3)BFL
BFLは、CFLやEFLの実装に便利な機能を提供するクラスライブラリである。GPMEでは、文字列、集合、日付、時刻、幾何形状といったものを表現するクラスがC++で実装されて提供される。これら、特定のオントロジに依存するものではないがどのようなオントロジを実装するにしても常に必要とされるであろう機能を、あらかじめクラスライブラリとして提供することで、オントロジ実装の効率を上げることができる。
GPMEでは、表3.2−1及び図3.2−1に示すクラス群をBFLとして提供している。
3.2.2MUL
MULとして、以下にあげる機能を実現するライブラリをC++で実装して提供する。
(1)PMデータベースのオープン/クローズ機能
(2)トランザクション管理機能
トランザクション開始、コミット、アボート機能。
(3)インスタンスのクラスタリング機能
関係の強いインスタンスをまとめてパフォーマンスの向上をはかることができるインスタンスのクラスタリング機能と、クラスタ単位のバックアップ/リストア機能。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION