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5.4全体システム試験結果の反映

5.4.1実機への反映について
大深度長期高効率海中動力源システムの開発において、機関本体技術、高圧燃焼技術、排ガス凝縮技術および海中排出技術の各要素技術について、その動力源システムヘの適用性を検討、試作試験による評価および確認を行ってきた。また、これらの要素技術を組み合わせて全体システム試験を行い、動力源システムとしての適用性評価を行い、実用化へ向けての諸問題について解決の目途を得てきた。ここでは、これまでの開発および検討結果に関し、実機動力源システムヘの反映事項について考察した。
5.4.2機関本体技術
実機動力源システムヘの適用機関として、スターリングエンジンを選定した。現在、すでに実用化されている常圧仕様エンジンを、大深度における動力源システムに対応した高圧化改造を行った。実機への適用については、工作上試作における制約から解放される点があることから、機関内部でのヘリウムの効率的な作動を実現することにより更に機関効率を高めることが可能である。
5.4.3高圧燃焼技術
本動力源システムに不可欠である、高圧燃焼技術を確立した。これは即、実機システムに適用可能であり、燃焼技術については十分な成果をあげたといえる。実機への適用に際しては、燃焼器の断熱強化、コンプレッサーブロックの鋳物化により、更なる効率の向上を図ることが可能である。
5.4.4排ガス凝縮・海中排出技術
深海での排ガス排出を可能とする凝縮技術について、排ガスの凝縮が問題なく実現できることを実証した。凝縮圧力の制御には、その系の温度制御が重要であることが削り、実機への反映において十分留意する必要のあることを確認できた。
また、海中への排ガス排出法については、試作システムでは排出ポンプの作動を確認した。実機への適用に当たっては、CGRファンを装備することにより、排ガスの残酸素濃度を低下させ排出ポンプの良好な運転を実現できる。

 

 

 

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