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4. 薬のいろいろ

(1)胃腸薬

1. タイプを間違えると逆効果
大きく分けて、健胃・消化剤、制酸剤、総合胃腸薬の3つのタイプがある。もし、胃液の分泌が多過ぎる人が、健胃・消化剤を飲んでさらに胃液の分泌を増やすと、胃潰瘍を誘発しかねない。薬を間違えると逆効果にもなる。
2. 消化を助ける薬
食べ過ぎたり、胃腸の働きが弱っているときは、健胃・消化剤の助けで消化能力を高める。
3. 胃酸過多をおさえる薬
薬で胃酸過多をおさえるには、二通りの方法がある。一つは、アルカリ性の薬剤で胃酸を中和するもので、もう一つは、胃液の分泌そのものをおさえるものである。市販の制酸剤にはその両方が含まれているものが多く、胃酸で荒れた胃の粘膜を保護する抗潰瘍剤が配合されているものもある。
4. 胃の痛みを止める薬
胃けいれんなどで胃がキリキリ痛むときは、痛みを止める鎮痙剤があるが、これはおもに胃を支配している自律神経に作用して、胃の緊張をやわらげるものである。緊急のときに使うが、連用は控えたい。
5. 二日酔いに効く薬
生薬を液剤に溶かしたドリンク剤が中心であるが、内容は総合胃腸薬タイプで、暴飲暴食ではたらきが衰えている胃を刺激して、動きを活発にする。さらに、胃の粘膜を保護したり、吐き気やむかつきをおさえる成分も入っている。

(2)かぜ薬

1. あくまでも症状をおさえるもの
かぜの多くの原因はウイルスであるが、かぜのウイルスに有効な薬はない。かぜ薬は、かぜに伴うさまざまな不快な症状を緩和するためのもので、いわば対症療法なので、症状に合わせて薬を用いることになる。
2. 複数の症状なら総合感冒薬
かぜ薬でいちばん多いのが総合感冒薬で、せきには鎮咳剤、熱には解熱剤、のどの痛みには抗炎症剤、鼻みずには抗ヒスタミン剤、たんには去痰剤、そして清涼感を増すためにカフェイン、というようにおおくの成分が配合されている。
3. 単独の症状をおさえる薬
かぜをひいた時、総合感冒薬がベストとはかぎらない、鼻かぜなら、抗ヒスタミン剤が主成分の鼻炎の薬で鼻みずを抑えておくだけでよこともある。咳(せき)や痰(たん)だけで他に症状がないときは、咳止めの薬を飲んで一晩ぐっすりねむれば、本格的なかぜにはならずにすむこともある。
4. 用法・用量を厳守する
かぜ薬の成分は神経系に作用する薬のため、比較的強い作用がある。早く効くように一度にたくさん飲んだり、時間を置かずに何回も飲んだりすることは危険で、「効能書き」の記載を厳重に守ることが大切である。
5. かぜ薬の服用は3日が限度
かぜ薬は一時的に不快な症状を緩和するためのものなので、すべての症状が完全に治るまで飲み続ける必要はない。平熱に戻らなくても、ある程度まで熱が下がったら薬を止めてもかまわない。

 

 

 

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