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表5.59 特設ビーム

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表5.60 甲板下縦桁

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表5.61 特設ビームを支持する縦桁

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5.5 船体縦曲げ強度

5.5.1 縦曲げモーメント

普通の造船学で教えられる船体強度で最も重要なものは船体縦強度である。一般の船舶では波のプロフィルに船体を重ねてみて、浮力と荷重とが釣り合う状態とし、そこに生ずる曲げモーメントを計算し、これに耐えるように船体各部の断面係数を決定する。小型の船の場合、船の長さに対し、船の幅、深さが比較的大きく、波高/波長比を1/20、あるいは1/10としても、局部強度の要求によって決定された船体断面において、ほとんど問題になるほどの応力を生じないのが普通である。
高速艇の場合は、以上のような静的縦強度の他に、スラミングによって生ずる大きな動的曲げを受ける。この波浪による曲げモーメントについては4.2船体の曲げの項に述べてある。この動的曲げモーメントは、先の静的曲げモーメントに比べてはるかに大であるが、それでも長さ20m台程度の縦肋骨構造船においては局部強度の要求を満足する場合、問題になることはほとんどない。しかし、横肋骨構造船では船底外板が凹損した場合の縦強度が不十分になる可能性があるし、さらに長い船では縦肋骨構造船でも、縦曲げ強度が支配的になる場合が出る。したがって、船体構造の設計に当たっては、各部材を局部強度の要求に従って設計し、最後にそれが縦曲げ強度を満足することを確認しなければならない。
縦曲げモーメントは、高速艇の耐波試験で得られた計測値から、船首衝撃加速度と最大曲げモーメントとの関係を統計的に求めてあるので、計画条件に相当する船首衝撃加速度に対応する曲げモーメントを使用する。
暫定基準では縦曲げモーメントを次のように定めている。

 

 

 

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