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2.6.36略図に示すようになり、基線がシームに接近したり、はみ出したりする。
このとき基準Frより遠いFrでは転び(バックセット)がアヤシクなる以上に決まらなくなるそんなときは「6.1.4曲り外板タスキ展開」の図2.6.9で見たように、シームの中間に中線(M)を付加して展開の補助とする。
また近似測地線の基準点にマカネを掛けようにも、図2.6.36の上図のときは、Frの弧と弦の方向が異なったり、下図のように延長したFr位置になったりする。
こんなときも近似測地線が出せるように、Frの弦にマカネを掛けるのではなく、弧に掛ける方法が採用されることがある。図2.6.37はその道具の例である。

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図2.6.36

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図2.6.37

この方が合理的であるが、つぎつぎに追う基線点に作画誤差が累積しやすい。
基線(直線)展開法と測地線展開の使い分けについてであるが、そもそも基線展開法とは測地線展開と考える方が明確であるたまたま展開の基線点が見透し線上に一致して並んだ場合が、基線(直線)展開法となったにすぎない。
測地線を出す作業は、現尺床にナイフで彫込みながら作画を追う精密さを必要とするし、もともと粗いフェアリングの正面線図なら、かえって基線(直線)展開の方が精度が良いとも言える。
造船工場の施工標準に「見透線と測地線の最大シフト量が、5mm以下なら直線基線展開とする」というのを見たことがあるが、そう簡単に割切れるか、どうか。
推奨したいのは、各般別にシフト量の記録を取り、正面構造線図と外板拡張図の上に残すことである。そして加うるに撓鉄施工者の加工直後の感想を説き、また組立現場の板並べ板継ぎの実状を観察するようにしたい。一律な基準ではゆかないことが分るはずである。
6.3 切直し展開近似測地線展開を含む広義の基線法は、現図作業が簡明で、素材にマーキングする時に実展開を行えばよいので、できるだけ広範に適用したい。しかし図2.6.38に見るような船首尾部で

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図2.6.38

 

 

 

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