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この曲線図において、復原てこGZが最大となる復原てこを最大復原てこCZMax、このときの横傾斜角を復原力最大角、復原てこGZが零になる横傾斜角度を復原力減失角(Vanishing of stability)、船の直立状態から復原力減失角までの傾斜の範囲を復原性範囲(Range of stability)という。

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となる。従って、横軸の横傾斜角57.3度のところに垂線を立て、その垂線上にGZと同じ尺度でGMをとり、原点0と直線で結び、その直線に接するようにGZ曲線を描けばよい。
復原力曲線は、一定の排水量に対して各様傾斜角の復原てこの変化を示すものであるから、同一の船でも数種類の排水量と重心位置に対して復原力曲線図を作成する必要がある。

7.3 復原力の計算法

復元力の計算は各排水量、各傾斜角に対してGZを求めることに帰する。
船が傾いたとき、新しい浮力の中心がどこに移動したがその位置を見い出し、その浮力の中心から水線に垂線を下し、重心との垂直距離を求める。この計算を行うには、インテグレータを使う方法、手計算または電子計算標による方法などがあるが、いずれも多くの手数を要する。
横軸に排水量を、縦軸にGZをとり、各傾斜角ごとに計算結果を置点すれば、図7.4に示すような曲線群を得る。この曲線群を復原力交差曲線と云い、これから任意の復原力曲線を求めるには、交差曲線の横軸上のその排水量の位置に垂線をたてて各傾斜角のところのGZを読取ればよい。

 

 

 

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