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第1章 排水量及び肥せき係数

1.1 排水量

物体を水中に浸すと、物体はその水面下の部分と同体積の水の重さに等しい浮力を、周囲の水から受ける。これを浮力の法則又はアルキメデスの法則という。
浮力は物体の水面下の体磧の中心を通り鉛直上方に作用する。この体積の中心を静心(Center of buoyancy、記号でCB.又はB)という。
物体が水中に没するにつれて浮力は増し、遂に浮力がその物体の重さに等しくなれば、物体は水に浮ぶようになる。水面に浮かぶ物体を浮体(Floating body)という。浮体が静止して拘束されることなく自由に浮かんでいるとき、浮体の重心と浮心とは同一鉛直線上に=あり、重力と浮力とはその大きさが等しくその方向は反対である。

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船舶はこの浮体の性質を利用したものであって、図1.1に示すように、水面下の水を排除した部分の体積▽を排水体積又は,水容積(Volume of displacement)といい、浮体の性質から次式の関係が成立つ。
W=γ▽(1.1)
ここで、
W:船の重量(t)または排水量△(t)
γ:水の単位体積当りの重量(比重量)、(t/?u)
▽:排水容積(?u)、(▽をナブラと読む)
船の重さWは排除した水の重さに等しいから、Wを排水量(Displacement)と呼び△(デルタ)で一般に表わされている。船のような大きな物体の重さは直接に秤にかけて計ることはてきないが、その排水体積は船の形から計算によって容易に求めることができる。従って、船の重さ、す

 

 

 

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