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(2)油膜中の最高温度(Tmax)が限界をこえるか。
(3)最小油膜厚さ(Hmin)が限界をこえるか。
のいずれかにより疲労、焼付、摩耗その他の事故にいたる。(補・15図参照)
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(左)補・2表荷重の性質による区分
(右)補・15図流体潤滑される軸受特性(寿命)決定の3要素

2.2軸受の構造

すべり軸受の構造は、全体が同一材料からなる1層構造、通称ソリッド軸受と言われるものと、軸受摺動特性を受け持つ合金層と強度を受け持つ裏金層の2層構造を持つものや、さらにその上の表面に軟質のオーバレイ層(表面層)を設けた3層構造のもの等がある。合金層には通常軸受特性を持った金属が使われ、裏金には一般にスチールが使用される。(補・16図参照)

またすべり軸受は用途や機能により、軸受の厚さで区分される。肉厚/径比(t/D)が3%前後の薄肉軸受は、精度や剛性の高いハウジングに締代をもって組み付けられることにより高精度が確保され、高負荷を受けることができる。薄肉軸受は一般に機関軸受等、大量生産に適している。

t/Dが10%以上の厚肉軸受は逆に軸受単体での剛性、精度が高く、少量生産に適しており、タービン軸受等の静荷重軸受に多用される。(補・3表参照)

 

 

 

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