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2)ゆるみ対策

ボルトの加工精度が標準精度に充分入っている場合でボルトに適当な長さがあり、外力に対する締付釣合三角形の残存締付力が充分確保されている場合はボルトは基本的にゆるまないので回り止めを用いる必要はない。むしろ回り止めを用いることによって締付面の数が増えることによって合せ面の直角度、平面度、表面粗さなどが複雑になり結果的に締付け精度の低下をきたすことになる。したがって重要な締付け部には座金など一切用いないで軸力にばらつきが少ない適正締付法で充分大きな締付力を与えることが最も確実な「ゆるみ対策」といえる。

シリンダブロックにシリンダヘッドを取りつける場合、軟質ガスケットを使用している場合は所定運転時間後「増し締め」を行う場合もあるが硬質ガスケットを使用している場合、またはシリンダヘッド直付けの場合は増し締めを行う必要はない。

ボルトおよび座側に設計上充分な長さ、または厚みがとれない場合に限り回り止めを使用する。この場合でも設計を工夫することによって回り止めを不用にする方法がある場合はなるべく回り止めを使用しない様な設計に変更すべきである。その一例を補・14図に示す。

 

 

 

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