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スあるいは、圧力計の設置が望ましい。

(2)ゴム軸受

ゴム軸受の軸受間げきは、水中でのゴムの膨潤により軸受間げきが少なくなることがあるので、適正軸受間げきを十分保つ必要がある。軸周速度に関しては、ゴム軸受は、軸周速度が速くなるにしたがって摩擦係数が小さくなる傾向にある。軸の始動時、および低回転時には、摩擦係数が大きいので、適正冷却水量を確保する必要がある。一般に、適正冷却水量の目安としてはつぎの式による

Q=(3〜3.5)Ds

Q:冷却水量?/min

Ds:軸スリーブ外径cm

冷却水の供給圧力は、軸心における海水圧十(1〜1.5?/cm2)程度を確保するのが望ましい。冷却水ポンプは、ゴム軸受冷却用の独立ポンプによるか、または、ほかの海水冷却水ポンプから分岐して注水する。艤装期間が長い船舶または、停泊期間が長い船舶では、艤装期間中、および係留期間中、ゴム軸受冷却水の通水路にフジツボなどが密生して埋まることがあるので、通水路の保守には、十分留意する必要がある。長期間停泊していた船舶で、冷却水の通水路にフジツボが埋まっていたのに気がつかず、軸を回転したところ、ゴム軸受を焼損した例がある。また、艤装中に水中で長期間軸を回転しないで放置したところゴムが膨潤してしまい、適正軸受間げきに直した例もあるので、ゴムの軸受の膨潤について十分検討する必要がある。

就航中の事故としては、冷却水管のこし器が目づまりしていたのに気がつかず、軸を回転したところ、ゴム軸受を焼損した例が報告されている。これらの事故の原因は、ゴム軸受への冷却水量の不足に起因するものが多いので、軸の回転中は、適正冷却水量を確保する必要がある。

ゴム膨潤量については、各メーカおよびゴム質によって異なるが、目安として、ゴムの膨潤量は次の式で表わされる。

△T=T・β・△t

△T:膨潤量mm

T:ゴム厚さmm

β:体積膨張係数:(20〜30)×10−5

△t:温度差℃

 

 

 

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