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キーレスプロペラの場合、テーパ部の当り面は75%以上とし、しかも1インチ面積当り3ヶ所以上当り面があること。もし、上記の当りが達成出来ない場合は、満足出来る当りが出る迄作業を繰返す。この作業はプロペラの押込み作業と共に、プロペラ軸テーパ部のフレッティングコロージョン防止上重要なことであるので、入念に行うこと。

2.6プロペラキーのはめあい

キー付きプロペラの場合、プロペラ軸にキーを取付け後プロペラ軸とプロペラボスのテーパ合わせと同じにキーのはめあい検査を行う。キー側面とプロペラボスとのサイドクリアランスは一般に0.00〜0.04mmであるが、出来るだけキー側面の当りは均等にし、85%を標準とする。

2.7船尾管軸受

1)海水潤滑軸受

海水潤滑軸受材としては、リグナムバイタ、ゴム、合成樹脂(フェノール樹脂、ナイロン、テフロン等)が使用される。ここでは、リグナムバイタ軸受およびゴム軸受の採用の留意点について記す。

(1)リグナムバイタ軸受

リグナムバイタは熱帯地方に成育する自然木で、樹脂に満ち、繊維が極めてち密で、自已潤滑性に優れた軸受材である。比重が約1.2で海水に沈み、のこぎりでは容易に切れない堅さを有している。リグナムバイタは、海水に浸漬すると、膨張するので、装てん時長手方向に伸びしろを軸受全長の1%程度見込む必要がある。リグナムバイタ片の円周方向の分割数は1片の幅の寸法を考慮して半円周で奇数とし、垂直眞下で合せ目にならないようにする。また上半分の軸受面は板目、下半分は変形がきわめてすくない木口面とするようにリグナムバイタ片を採取する。軸受長手方向は千鳥形状になるように配列する。軸受面に設ける長手方向の海水冷却みぞの形状は、摩耗により、通過面積の急激な減少をさけるため、UV形を使用する。リグナムバイタの軸受性能の維持が、軸受摺動面の条件に大きく影響されるので、つぎの事項に注意する必要がある。

?プロペラ軸スリーブの材質として、BC2+0.5%Niがリグナムバイタとの適合性が最も優れているのでこの材質のスリーブを採用すべきである。

?軸受け摺動面への異物侵入を防止するには、艤装時に船尾管用の管系などは酸洗いを行なって、管内の付着部を完全に除去することはもちろんであるが、砂、汚物などが浮遊している港湾、河川などを航行する船舶にあっては、リグナムバイタの摩耗がいちじるしく促進されるので、少なくとも、こし器を通した清浄な海水の強制供給が必要である。また船尾管への送水確認のため、海水冷却管系にサイトクラ

 

 

 

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