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(14)中間軸受の位置決め

中間軸仕上がり面の中央におく。中間軸はオモテ側に7mm位移動しているのでこの分を考慮して中央になるように位置を決める。

(15)中間軸受内部への防塵処置を施す。注油蓋などはテープなどで貼る。また軸受の両端面は油のしみたコットンロープなどを巻き付ける。

(16)中間軸の取付け

(イ)取付カップリング面のまくれを取る。(油砥石又は油目炉を使う。)

(ロ)カップリング合せ面に少量の油を塗り、合マークを合わせ、規定リーマボルトをトモ側から差込み、平均にそして充分に締付ける。

(ハ)プロペラ軸とパッキングランドとのスキマ点検をして前の数値と比較する。(前の数値と異なったら修正する。)

2. 軸系装置

2.1中間軸およびプロペラ軸の補修

(1)プロペラ軸の補修を行い得る欠陥、傷などは、軸表面に現われた非金属介在物か、欠陥、傷を除去したあとのくぼみの深さが軸径の1%(最大3mm)以下の場合のみである。ただし、修正後の推定軸径は、機関規則による要求軸径より大であること。

(2)欠陥、傷などの補修は、必ずラウンドオフとし、底には、深さの2倍以上の丸味をつけて仕上げなければならない。

(3)補修を行なった部分は、染色浸透探傷または磁粉探傷を行ない、欠陥、傷は完全に除去されたことを確認する。

(4)補修前に欠陥、傷などの見取図を作成して、検査官と協議してから補修工事を施工する必要がある。

2.2プロペラ軸スリーブの腐食、対策

(1)海水潤滑方式の場合、プロペラ軸スリーブの腐食が船尾管軸受の支面材(リグナムバイタ)の位置に当る個所に発生することがある。このプロペラ軸スリーブの腐食は、スリーブ表面にプロペラ翼数または、その倍数で軸方向に長い浸食が現われる。これはプロペラ軸の横振動に起因するスリーブ表面のキャビテーションなどによるものである。プロペラ軸スリーブの表面がざらざらになるので、リグナムバイタの摩耗を著しく促進させる。この対策として、船尾管内への冷却水量および圧力を増す。

(2)プロペラ軸スリーブの材質がステンレス鋼の場合、停泊時船尾管内への冷却水が流れていなかった為、スリーブ表面に電蝕が発生することがあるので、停泊時は間歇的に冷却水を流し、また就航時は十分冷却水量および圧力を確保する必要がある。

 

 

 

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