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b)噴射タイミングが遅すぎる

シリンダ内の圧縮温度が十分上がったところで噴射が始まるので、着火遅れが小さくなり、最高圧力が下がって、静かな運転ができる。しかし、噴射終りが大巾に遅れるので、燃焼時間が長びき排気が始まるまでの膨脹期間中燃焼が継続する(後もえという)ため、排気ガス色が黒色化する。又、排気温度の上昇など排気損失が増えて、熱効率が下がり出力が低下し熱負荷過大となるので注意しなければならない。シリンダ間の噴射タイミングにバラツキが生じると、機関全体として、出力不足となり、排気ガス色が悪化し、黒色となるので減筒テストで、不良シリンダを探して修正しなければならない。燃料カム及びタペットの摩耗などについても十分点検しなければならない。

C)噴射量のバラツキ

負荷分担の大きなシリンダが、過負荷状態となり全体として排気ガスが黒色化する。減筒テストで不良シリンダを探して修正するか、ユニットポンプの場合は、シリンダヘッド出口の排気温度のバラツキを定格運転時、30℃以内に入るように修正する。

d)噴射圧力の低下とバラツキ

噴射圧力は、使用につれて徐々に低下し、規定圧カより、大巾に低下(約10?/cm2以上)すると、噴霧不良や噴射量が減少するので、シリンダ間の燃焼にバラツキを生じ、排気ガスが黒色化する。

e)ノズル不良

噴孔の腐食拡大及び変形、カーボン噛み込みや詰まり、ニードル弁とシートの摩耗、ニードルの摩耗や腐食などが起こると、噴霧不良となり、燃焼が悪化するので、排気ガスが黒色となり悪化する。不良シリンダのノズルを減筒テストにより探し出し、点検修正又は交換する。

f)送出弁の不良

デリベリバルブ及びシートの不良、送出弁バネの折損などを起こすと、噴霧切れが悪く、あとだれなどを生じるので、排気ガスが黒色となり悪化する。減筒テストにより不良シリンダを探して修正又は交換する。

g)プランジャの摩耗

噴射ポンプのプランジャが摩耗したり、腐食及び損傷すると、燃料圧送時のもれを生じ、噴射量が減少するので、出力不足となり、シリンダ間のバラツキを生じて排気ガスが黒色となり悪化する。減筒テストで不良シリンダを探して、修正又は交換する。

 

 

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