(2)ウエイトバネ力調整不良
ガバナウエイトの先端に、バネ力調整ネジが設けられており、このネジにより速度変動率を調整する。このネジ調整の極端な調整不良によって増速時の追従性が悪化する。ネジの締め過ぎは、速度変動率が鋭敏となり、回転変動を生じ易く、弛めると鈍感になる。ネジの調整範囲はガバナにより、異なるので注意しなければならない。
(3)ニードル弁の調整不良
ウッドワードガバナの場合、ニードル弁を閉じ過ぎると、追従性が悪くなる。通常は、ハンチングするまでニードル弁を開き、混入する空気を完全に抜いてから、ハンチングが止まるまで徐々に締め込む。ニードル弁の開度は、最低限1/4〜1/2回転程度は開けておかなければならない。
(4)パワーピストンの作動不良
パワーピストンが膠着して、円滑な作動ができなくなると、追従性が悪くなる。分解清掃又はガバナを交換しなければならない。さらに潤滑油濾器も点検清掃又は交換しなければならない。
(5)油圧が低すぎる
濾器の詰まり、リリーフ弁の膠着、ポンプの摩耗などで油圧が低下し過ぎると、追従性が悪化する。その他、ドレン孔や油通路孔が詰まると、同様に追従性が悪化する。
(6)速度ドループの調整不良
速度ドループピンの位置を、フライウエイト方向へ寄せ過ぎると、追従性は悪化し、パワーピストン側へ移動すれば、速度変動率は鋭敏になり、回転変動が出やすくなる。
前ページ 目次へ 次ページ