日本財団 図書館


くなる。コントロールラックを手で動かし、円滑に動かぬ時は円滑に動かせるように修正しなければならない。ラックの摺動抵抗は規定値以下でなければならない。

(2)ピニオンの変形

ピニオンの変形、歯車欠損などを起こすと、コントロールラックとの噛合が円滑にできなくなり、作動が不確実となる。ピニオンを交換修復しなければならない。

(3)プランジャのスティック

プランジャの摺動面が腐食、損傷、焼付きなどを起こして、プランジャがスティックすると、コントロールラックが動かなくなる。プランジャ及びバレルを交換修復しなければならない。プランジャの戻しバネが折損した場合は、プランジャが戻らなくなり、ピニオンが円滑に動かなくなるので、コントロールラックも円滑に動かなくなる。

(4)リンクの作動不良

コントロールラックに連結するリンクや軸などに曲りやこじれを生じると、コントロールレバーの動きがコントロールラックに円滑に伝え難くなり、作動不良となるので、増速時の追従性が悪化する。

(5)左右連結リンク取付不良

V形機関の場合は、左右のコントロールラックを連結するリンクが取付不良になると、左右シリンダの出力がアンバランスとなり、増速時に回転が円滑に追従しなくなる。

(6)ユニットポンプのリンク取付不良

シリンダ毎に設けられた噴射ポンプのコントロールラックを連結するリンクや連結桿が曲ったり、こじれたりするとコントロールラックが円滑に作動しなくなるので追従性が悪化する。曲がりやこじれを修正し、円滑に作動するようにしなければならない。

8)ガバナ故障

(1)スイベルレバーのネジ調整不良

ガバナスプリングの張力をネジにより調整してガバナの速度変動率を調節できるようになっている。ネジを弛め過ぎるとバネの張力が減少して、増速時の追従性が悪化する。反対に締め過ぎると鋭敏になり過ぎて、回転変動が生じ易くなる。このネジによりガバナスプリングの張力を調整した場合は、ガバナ性能が変化するので再調整しなければならない。ネジの調整範囲はガバナにより、異なるので注意しなければならない。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION