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第1章 調査研究の概要

(1)調査研究の目的

大阪圏の都市鉄道のラッシュ時の混雑率は、近年の輸送力の増強から、着実に低下し、目標である150%に近づきつつある。しかし、一部の路線においては依然として混雑率が高く、輸送力の増強も限界に達している状況にあり、時差通勤の推進によるラッシュ時の混雑緩和策が求められている。このため、本調査研究は、大阪圏で最も混雑の激しい大阪市営地下鉄御堂筋線(1号線)をモデル路線として、時差通勤の推進等の需要誘導方策を中心に混雑緩和方策のあり方に関する調査研究を行い、今後の混雑緩和方策を検討するための基礎資料とするものである。

 

(2)調査研究内容

本調査研究の内容は、調査フロー図に示すとおり、下記の項目について検討を行った。
?地下鉄御堂筋線(1号線)及び接続路線における鉄道通勤・通学の実態把握既存の調査・資料を基に、鉄道通勤・通学の実態を把握・整理した。
○地下鉄御堂筋線及び接続路線の輸送現況の把握
・ピーク時の輸送人数、輸送力、混雑率等の推移
・地下鉄御堂筋線及びこれに関連する路線の駅勢圏の把握
○地下鉄御堂筋線等と接続路線の主要ターミナルにおける接続・乗換状況の把握
・運行ダイヤ、接続の検討(ピーク時、終日)
・梅田、難波等主要ターミナルにおける乗換流動状況の把握・整理
○事業所及び従業員の通勤に対する考え方
・御堂筋線沿線事業所従業員の利用実態
・御堂筋線沿線事業所従業員の利用意識
?混雑発生要因の分析及び時差通勤施策推進に係る問題点の抽出
?で把握した通勤・通学の実態を踏まえ、さらに既往の調査成果、地下鉄御堂筋線沿線の事業所
・従業員等に対するヒアリング調査によって、ピーク時間帯における混雑発生要因の分析及び時差通勤推進に係る問題点等の検討を行った。
○混雑発生要因の分析
・ピーク時間帯における列車別の集中率、需給状況の把握整理
・事業所の始業時間、勤務形態等の事業所側の状況

 

 

 

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