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このような共同化を進めていくにあたって、一定以上の物量を確保するとともに、取扱貨物の対象を特定するなどの工夫が行われている。
さらに、集荷業務は事業者の営業活動を兼ねており共同化が困難である点や、どこの事業者がどのような荷主の貨物を扱っているのかについては守秘義務が課せられている点が阻害要因として上げられた。

 

[先進事例:C組合]
○高層ビルヘの配送業務という不採算部門をまとめて扱う共同体制を構築。大手事業者にも積極的に利用されている。
○時間と労力がかかる高層ビルヘの配送業務を共同体制で行うため、高層ビルヘの搬入の交錯が解消された。このような取り組みにより配送車の積載効率が向上し、交通渋滞緩和に大きく貢献した。
○スタッフはテナントの移転先や入居階数等、ビルの状況を熟知しているため配送は極めて効率的に行われ、受け荷主から誤配送が減ったとの評価を得ている。

 

[先進事例:D組合]
〇組合設立による共同化の推進により貨物の積載率が向上する見込み(平成5年度実績57.2%から平成12年度には69.8%)
○卸売業者の売上高に占める物流コストの割合も約1%削減された。

 

(4)物流拠点機能の複合化による物流の効率化
これまでは輸配送と荷捌きを重視してきたが、これからは保管、流通、加工、情報サービスを一連の機能として荷主ニーズに対応できるようにすることが重要であるといった認識が広まるなか、トラックターミナル整備において、多階建ての複合施設に変化していく必要性が指摘された。
そして、トラックターミナルと倉庫とを併合した施設整備を行い、横持ちのコスト削減と輸送情報等のタイムリーな確認を実現した例や、卸売団地との隣接性を確保したことにより、一定の物量を確保している例が見られた。
また、物流コンサルティング、物流共同化のコーディネーター、流通加工、トランクルームサービス、契約書・代金等の回収等の新しいサービスの提供に積極的に取り組みたいといった例が見られたが、このような総合物流を実現するにはコーディネート力が重視される点が指摘された。

 

[先進事例:E組合]
○デポセンター、トラッキングセンターのなかに入荷から配送までの10種類の機能を一体的に整備し、物流コストの削減と納品制度の向上を目指す。

 

 

 

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