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?デュアル化の推進
災害時においては、まず被災者救出や緊急医療といった、地域の生活や人命を支えるための様々な機能が重視されるとともに、医薬品や食料品といった緊急物資の円滑な調達が極めて重要となる。
また、今回の大震災においては多くの建築物が被災したため、既存の多くの都市機能が麻痺した点は記憶に新しい。
そこで、物流拠点整備を進めるにあたっては、災害時においては緊急物資の取扱や他の都市機能を補完する代替施設として活用されることも想定し、フレキシブルな設計と運用を施すことが求められる。

 

(5)物流拠点の高度化と効率化
?自動化・省力化の推進
物流拠点には物流に関する業務を集約化することにより、物流全体の効率化を進めていくといった拠点本来の役割があり、自動化・省力化を進めることにより作業効率を高めていくことは、効率的で円滑な物流体系を構築するためには極めて重要である。
また、物流業界においては若年労働力が長期的に不足することが見込まれるなか・高齢者・女性、アルバイトといった労働力を積極的かつ効率的に活用していくためには、機械化により作業の平準化をさらに進めていく必要がある。

 

?共同化・協業化の推進
物流事業者の多くは中小企業であるため、個別企業では体力的にも設備的にも脆弱である場合が多く、共同開発や共同作業により競争力を高めていくことが望まれている。
また、交錯輸送に見られるような社会的な不経済を軽減するといった視点からも、事業者問の連携を高めていくことは重要である。
そこで、複数の事業者が活動する物流拠点においては、これらの事業者間の共同化・協業化を先導し、地域の産業の高度化や豊かな市民生活の構築に寄与する高サービスを実現していくことが望まれる。

 

?人材の確保・育成
長期的な労働力不足が見込まれる物流業は、情報化をはじめ積極的に高度化に取り組んでいる。そのため、物流業のサービス化・高付加価値化は今後一層進展するものと見込まれ、より優秀な人材が求められるものと想定される。
そのため、物流拠点においても、優秀な人材を確保・育成していくことが必要である。

 

?既存施設の高度化
物流拠点は外縁化や大型化が進展する傾向が見られるが、都心近くに多く見

 

 

 

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