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(3)物流拠点に求められる役割とその変化
?物流の効率化、合理化を促進
物流拠点は、荷役・保管・流通加工等の物流に関わる一連の作業を行う場であり、この作業課程が集約化されていることから、そもそも物流効率化を図っているという機能を果たしている。
従って、物流拠点の合理化は、物流全体の合理化を促進するものであり、物流の効率化を促進する役割を持っている。

 

?企業間の集団化・共同化を誘導
物流拠点では、様々な作業が集約されていることから、複数の事業者の作業を共同化することによって、物流全体の効率化を図ることができる。
従って、小規模な物流施設が無秩序に分散立地する傾向にある場合、これらの物流施設を集約することによって、企業間の集団化・共同化を誘導する役割を担うことが想定される。
また、このような集団化、共同化によって、結果的に都市内の交通混雑緩和や良好な住環境の創出等に貢献できる。

 

?物流ネットワークの輸送経路を結ぶ結節点として物流をコントロール
物流ネットワークは、貨物の発生地から物流拠点、物流拠点から物流拠点、物流拠点から需要地といったように構成されることから、物流拠点は物流ネットワークを構築するに当たって極めて重要な要素である。
従って、物流拠点は新たな物流ネットワークの構築、あるいは既存の物流ネットワークの高度化を促進するものであり、その性格や位置によって物流を整流化・整序化するなど、物流をコントロールする役割を担う。

 

?周辺地域の商業・流通機能の合理化・高度化を促進
物流の非効率性を排除するといったことは、結果として周辺地域の物流・流通の合理化を促進するといった役割を持つことを示す。たとえば、地場の卸売業は中小企業が多く、独自の物流システムを構築できる大手企業を除き、個別少量輸送を強いられるなど非効率な物流が行われている場合がみられるが、このような地域の中小卸売業の流通拠点を集約化し、共同化を図れば、複雑な地域流通を合理化することができ、結果として地域商業・流通機能を合理化することとなる。

 

?都市部の土地利用の適正化に寄与
都市部に散在している中小の物流拠点を集約化することによって、商業地や住宅地等と物流拠点の分離を図ることができ、結果として都市部の土地利用の適正化に寄与する。
また、物流拠点と工業地、商業地との適正な配置によって、生産、物流、消費地の合理的な土地利用を実現することができる。

 

 

 

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