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(1)社会経済環境の変化と物流への影響
?国際物流の進展
[アジア諸国を中心とした諸外国からの製品輸入の増加]
円高基調に加え、国内の高い地価水準等を背景に、海外の安価な労働力を求めて企業の海外進出が積極的に行われている。また、近年、中国やインドネシアなどアジア諸国の経済が著しい発展を遂げており、バブル崩壊後の景気低迷期においてもアジアヘ進出する企業数は増加傾向にある等、国際水平分業が進展している。そのため、国内の生産機能が海外に移転し製品の逆輸入が行われるといった「産業の空洞化」を指摘する声が高まりつっあるとともに、アジア諸国でつくられた製品の国際競争力が高まりつつある。
これまで、他の海外先進諸国と比較してわが国の製品輸入は低い水準に止まってきたが、近年のアジア経済の成長や円高、国内企業の海外事業活動の活性化を踏まえると、アジア地域を中心とした製品や部品の輸入増加が見込まれる。
近畿圏は歴史的にもアジア諸国との関係が深く、アジア経済の急成長を背景に、対アジアを睨んだ経済交流のさらなる活性化が見込まれる。
このような現状に鑑み、「輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法」(平成4年7月)が施行されている。
さらに、国際物流の進展に伴い、24時間体制の物流が一層求められる。

 

日本の製品輸入比率の上昇と要因

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[国際複合一貫諭送の動き]
グローバリゼーションの進展、コンテナリゼーションの進展、情報化の進展等を背景に、国際複合一貫輸送による取扱量は概ね増加傾向にある。
国内企業の海外事業展開の拡大に伴い逆輸入の増加が見込まれるなか、国際物流に対する荷主ニーズはさらに多様化・高度化の動きが見られる。このような背景のもと、費用面、時間面においてニーズの高度化・多様化に応える国際複合一貫輸送は今後も進展するものと考えられる。

 

 

 

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