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楽部・舞鶴」がそれぞれ設立され、活動が繰り広げられている。
 平成3年8月3日、赤煉瓦倉庫群一帯にライトアップの灯がともり、激しく力強いピアノの音色が響きわたった。赤煉瓦のまちとしてPRしていきたいと、赤煉瓦倶楽部・舞鶴の有志により、野外ジャズコンサートが開催された。ミュージシャンは祖父が赤煉瓦とゆかりのある山下洋輔さん、即興で赤煉瓦のテーマ曲も演奏されている。以後出演者に日野皓正、阿川泰子、マリーン、谷啓など一流のミュージシャンを迎え、毎年夏に恒例行事として開催されている。
 また、同倶楽部からの要請により民間倉庫会社と海上自衛隊の赤煉瓦倉庫がライトアップされているほか、赤煉瓦をイメージまたはネーミングした菓子類、酒、蒲鉾など赤煉瓦商品も数多く誕生している。

3)赤煉瓦倉庫の再生

 市民活動等の盛り上がりに呼応して、市においては国有財産であった赤煉瓦倉庫の払い下げを受け、平成5年11月に「赤れんが博物館」として転活用を図った。この博物館は、舞鶴の歴史と個性を表現する「煉瓦」をテーマにした世界に類のない博物館であり、中国万里の長城の煉瓦やインダス文化モエンジョダロ遺跡の煉瓦など世界の四大文明にかかわる煉瓦をはじめ、アウシュビッツ収容所、クレムリン宮殿の煉瓦など世界各国の煉瓦と天平時代から現在までの日本の煉瓦の歩みなどを紹介している。
 オープン後は、展示や収集など博物館本来の活動のほか、博物館周辺をめぐるスタンプラリーや煉瓦に関わる絵画展・写真展、前庭でのコンサートなどを開催しているほか、ドイツのリューベック市とは、煉瓦を通して子供たちの交流がはじまり、イギリスのボーツマス市からはパーネット市長が同市の歴史的建造物の煉瓦をお土産に来館されるなど、煉瓦による国際交流も次第に活発になってきている。
 さらに、平成6年10月には、赤煉瓦倉庫転活用第2号として「舞鶴市政記念館」を整備した。ミニコンサートや展示などに利用できる多目的ホール、喫茶コーナー、市の歩みを紹介した展示室などがあり、特にホールは煉瓦倉庫独特の雰囲気があり、多くの市民によって個展やコンサートなど文化的催し等に利用されている。
 また、これら2つの施設のオープンを契機として、毎年秋には、赤煉瓦倉庫群を舞台に全国のクラフトマンが集まるアート&クラフトフェアなど多彩な催しが繰り広げられる赤煉瓦イベント「赤れんがフェスタin舞鶴」を開催している。


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