着桟作業中、可動橋に衝突し乗客が負傷
●日 時 平成4年11月29日午後1時18分ごろ
●場 所 愛媛県堀江港
●総トン数 634トン
●用 途 短距離フェリー
●天候 等 晴 風力3 ほぼ高潮時
●船体損傷 なし
●負 傷 乗客5人重軽傷
事実の概要
A丸(乗客40人、車両3台搭載)は、旅客船兼自動車渡船で、呉港から堀江港に入港する際、主機遠隔操縦ハンドルを微速力後進から中立としたが、その確認が不十分であったため、クラッチが切れておらず、そのまま後進して専用桟橋の可動橋に衝突し、その衝撃で、下船を急いでいた乗客が階段下に転落し、うち5人が重軽傷を負った。
海難の原因
- 専用桟橋の可動橋に船尾着けする際、主機遠隔操縦ハンドルの操作後の確認が不十分であったこと。
- 運航管理者の乗組員に対し旅客誘導に関する安全教育が不十分であったこと。
発生防止のために
- 運航管理者は、着桟作業が終了するまで旅客を着席させておくなど、下船時の誘導についての安全教育を乗組員に対して十分に行うこと。
- 船長は、着桟繰船にあたり、主機遠隔操縦ハンドルの操作者に対し、誤操作しないよう十分確認するよう指示すること。
- 主機遠隔操縦ハンドルを操作する者は、誤操作しないよう回転計やクラッチの位置を十分確認すること。