日本財団 図書館


日本語図書で憧れの日本を疑似体験
遼寧対外経貿学院 読書協会一同
 
 親愛なる日本の皆様へ
 こんにちは。
 日本からの贈り物を受け取ることができ、嬉しく思います。ここに、遼寧対外経貿学院の全学生を代表し、深くお礼を申し上げます。
 世紀をまたぐ大学生として、私たちは世界への理解、身の回りの全ての新鮮なことへの理解を渇望しております。おかげさまで図書館は私たちの生活に欠かせない宝となりました。1冊の本が私たちに与える影響は大きく、深遠なものだと思います。
 絶えず学習し探索している中で、私たちはこの豊かで神秘的な世界を理解し始めています。隣国である日本に対する憧れが、私たちの中で満ちあふれています。日本からいただいた書籍を通し、私たちはあたかもそこにいるかのような臨場感をもって、日本の清潔で整然とした大きな通りを見、空いっぱいに舞う桜を見ることができました。感謝という二文字では、私たちの感激を到底伝えきれるものではないと思っています。
 図書寄贈事業が、将来も高みに昇り続け、新しい輝きを創造できますよう希望いたします。
 
寄贈図書を受けて誓ったこと
遼寧対外経貿学院 日本語一班 2年 姜永淑
 
 親愛なる日本の皆様へ
 日本から贈られた図書を受け取り、本当にとても感激し、感動しております。これから、一冊一冊の本を入念に読み、日本の皆様の私達に対する支持と賛助に背かぬよう努力いたします。
 私は、それぞれの本が持つ力は偉大で、想像を超えるものだと思っています。ですから、私は学びながらこの貴重な資源や富を利用し、無形の力を現実の中で発揮していこうと思います。日本の皆様が私たちにしてくださった全てのことに対し、ここに深く感謝の意を表し、また、皆様のよりよい将来を祈念しております。
 
和文図書の蔵書紹介(寄贈図書の活用を呼びかける利用案内)
清華大学 図書館 晏凌
 
 図書館旧館の閉架書庫は2階の中ホールにあり、本大学所蔵の22,000冊余りの和書の全てを収蔵しています。これらの和書は日本の文化や歴史に関心を持つ利用者の要望に応えるものであり、また、日本語読解力の向上を志す利用者の要求を満足させるものでもあります。
 これらの和書のうち2000年以前に入庫したものについては、旧館中ホールの大型書庫前にあるカード式目録棚から検索する必要があります。2000年以後に入庫したものについてはカード式目録を提供しておりませんので、パソコン端末から公共目録の情報を検索する必要があります。目的の本についての情報を探し出したら、利用者は検索票に記入し、担当者に提出して閉架書庫に入ることができます。
 以下は、当館が推薦する今年新たに入荷した日本からの寄贈図書の一部です。問い合わせ、貸し出し依頼をお待ちしております。また、読後の感想や意見があれば、その都度フィードバックしてください。当館担当者は誠意を尽くして皆さんへのよりよいサービスに努めます。
(抜粋して原文のまま掲載)
 
序号 索書号 書名
1 I313.062-51 日1 古事記
2 I313.062-51 日1:2 日本書記.風土記
3 I313.062-51 日1:21 太平記.曾我物語.義経記
4 I313.062-51 日1:29 近松
5 I313.062-51 日1:3 万叶集
6 I313.11-51 日1:14 源氏物語
7 I313.11-51 日1:22 今昔物語集
文責 旧館閉架書庫
 
時代に即した広範な情報で需要に応える寄贈図書
清華大学 図書館 元レファレンス・ライブラリアン 宋鴻国
(注)宋鴻国さんは定年退職されましたが、在職中、田中元首相による寄贈図書の目録編集に携わった経験があります。
 
 日本の皆様が数年前から清華大学に寄贈してくださっている図書は、科学技術、人文社会を中心に広範な分野に亘り、且つ内容も豊かで、中日の学術交流に役立っております。
 1970年代に田中角栄元首相が清華大学と北京大学に日本から図書を寄贈して下さいましたが、あれから既に30年余り経過しました。当時の図書の中には情報的に古くなってしまい活用が困難なものも少なくなく、こうした傾向は科学技術関係の図書とレファレンスについて特に顕著です。そうした中、ここ数年来日本の皆様からいただいている図書は、日本の出版物の現状把握や当大学図書館の蔵書充実に大いに貢献しております。
 清華大学の外国語学部には日本語専攻がありますし、第二外国語として日本語を学習している学生や日本語に精通する教師も多く、その中の何人かはかつて日本に留学したことがあります。ですから、日本語の図書にはかなりの需要がありますが、特に歓迎されるのは、次のようなものです。
(1)日本語のレファレンス、日本で出版された各種「大事典」、辞書、ハンドブック、図書目録、索引、年鑑、名鑑、外国語の辞書(語学辞書、マイナーな外国語の辞書を含む)等。―日本は、世界屈指の辞典・書籍の出版大国です。
(2)日本語やその他の外国語を学習するための図書、日本で出版された日本語以外の外国語研究に関する図書、日本語やそれ以外の外国語版の科学技術専門書
(3)シリーズ図書
(4)人文社会関係の専門書
(5)日本を理解するための各分野の各種図書(歴史や現代社会を含む)
 以上が人気の高い図書ですが、私自身について言えば、事典・辞書類(日本語、英語、ロシア語、ドイツ語、フランス語等の辞書を含む)に特に興味を持っております。例えば、寄贈していただいた「特許技術用語集」は、簡単明瞭で実用的で非常に良い図書であると、感じております。
 中日両国の文化交流がさらに発展することを祈っております。
 
中日友好交流の新たな架け橋となる図書寄贈事業
広西師範大学 図書館 日本文化資料室 陳登岳
 
 尊敬する日本の皆様へ
 我が大学は、日本の皆様から合計で10万冊余りの図書をいただきました。内容が豊かで装丁も精巧で美しい日本の原書は、我が図書館の蔵書を充実させたばかりではなく、学生や教員がそれらを直に読むことにより、日本への理解を深め、日本文化についてより多くのことを学ぶための資料となりました。教師にとって、和文の原書は、指導や研究を進める際の直接的な力となります。皆様の無私なる援助は、日本人の中国人に対する友情を十分に現しており、一衣帯水の両国間を結ぶ友情のリボンのようなものです。数千年の中日民間交流に、また友情の苗を植えることができました。私たちは、この苗が成長して開花し、実を結ぶことを期待しております。
 両国間には政治上の不協和音があるものの、経済面での緊密な連携により、両国民は既に「一方が栄えれば共に栄え、一方が損なわれれば共に損なわれる」関係にあることは、誰にも否定できない事実です。寄贈図書の中に「日本と中国 永遠の誤解」という本がありましたが、21世紀の現在、両国が歴史問題で永遠にもつれていては、『永遠の誤解』が生じてしまい、いかなる政治化された歴史でも、或いは歴史化された政治でも民族感情を抑えることは不可能であり、政治情勢を不安定にする要素となってしまいます。
 現在、両国民の相互理解は極度に低下しており、相互理解の促進が必要な状況にあります。しかも、相互理解は各ルートで大規模且つドラスティックでなければ、効果は現れにくいのです。ですから、今こそ1億3千万人と13億人が「全員外交」を展開する時であると思うのです。両国民は経済、文化などのルートで互いの信頼関係を築く必要があります。政府間に対立があっても、民間に多くのルートがあれば、事態の悪化を阻止する安全弁となります。
 中国の大学に図書を寄贈する事業は、中日の友好交流に新たな橋を架けるものです。私はこの事業が末永く展開されていくことを心より希望しております。


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