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藤本 晴子(ふじもと はるこ)
(昭17.10.1生)高知県高知市
 
 多年にわたり支援・保護の必要な児童生徒の更生支援活動を続けて健全な社会の一員として復帰させるなど、地域社会の福祉向上に尽くされている。
推薦者:高知市教育研究所
 
Ms. Haruko Fujimoto (born October 1, 1942) Kochi City, Kochi Prefecture
 
 Ms. Fujimoto has worked over long years to improve the welfare of regional society through continuous rehabilitation and support activities directed at young children and students who need assistance and protection so that they may return as healthy members of society.
Recommended by: Kochi Educational Research Center
 
 1980年、藤本さんは、窃盗を繰り返す高校3年の少年を家裁の審判後自宅に受け入れた。少年は実母と軋礫があり一緒に暮らしていては再び事件を起こす可能性があった。3年間藤本宅で暮らす中で、少年はボイラー1級の資格と大型自動車免許を取得して地元に帰り、後に公務員となった。その後も、養護施設で指導困難な中3の少女、覚醒剤を致死量近く打たれた16才の女子など保護観察所、児童相談所などからの依頼で多くの少年少女を預かり更生させた。初めは更生保護から入った活動であったが、問題の背景は子供達が育った環境(生育歴)に深く関係があることから、心の安全基地としての家庭の役割を果たすことが必要であるとの結論に達し、「先ずは、彼等と家族になること」を心がけている。
 1986年中3の女子の里親に任命され、1989年家庭裁判所試験観察委託先、90年保護司を拝命、95年高知市学校不適応児童生徒相談支援事業巡回相談員を委嘱された。現在まで寝食を共にした更生支援対象者は(1)中央児童相談所からの措置里子(一時保護も含む)33名(2)家庭裁判所からの措置保護委託→試験観察5名(3)保護観察所からの措置4名(4)高知市教育研究所からの依頼不登校ケース2名(5)地域からの預かり5名の計49名に上る。
 現在、藤本家の家族構成は、里子4名(高3女子、高2男子、中1男子、小6女子)、25才女性、24才男性、20才女性、元里子の5才の女児、ご主人と実子の中2女子と晴子さんの11人の大家族である。養護施設から養育里親として受け入れた子どもを父親と母親のいる家庭生活に馴染ませ、更生を支援する。子ども達には、生きていく基本のマナー、人への思いやり、愛するということ、愛されるべき自分の発掘を生活の中で学ばせ、他の人には無い、自分の中の宝物を見つけられるまで付き合っていきたいと活動を続けている。藤本ホームを巣立った子ども達が大人となった今も、現在いる子ども達に力を添えてくれることに喜びと確かな手ごたえを感じている。
 
 
受賞の言葉
 この度はありがとうございました。
 私たち大人は、子供たちに常に何をしてあげられるか、どうしたらよいかと考えるものです。
 しかし、本当は、どんな環境にも生きぬく力を、子供たちに教えていける大人が必要だと思うのです。
 縁あって出逢えた青少年、幼児たちに、自分たちはどう生きるのか、何の為に生きるのか、生きる事の意味、周囲に自分という存在を表現できるように、自分の中の宝ものを見つける手伝いをしていきたいと思っています。
 そして子供たちの心にゆとりが出てきたら、自分以外の人に何かしてあげたいと思える人間になれるよう、共に泣き、笑い一緒にもつれ合って歩いていきたいと思うのです。
 
藤本ファミリー
 
新年会
 
晴子さんと新しい家族
 
人の集まりやすい広い居間
 
四国地区里親研修会
 
藤佐 美幸(とうさ みゆき)
(昭29.8.31生)佐賀県佐賀市
 
 BBS(ビッグ・ブラザーズ・アンド・シスターズ・ムーブメント)の佐賀地区のボランティア活動で26年間、青少年の非行防止や立直りの手助けを願い活動を続けている。
推薦者:佐賀県BBS連盟
 
Ms. Miyuki Tosa (born August 31, 1954) Saga City, Saga Prefecture
 
 Through volunteer activities in the Big Brothers and Sisters Movement (BBS) of Saga, Ms. Tosa has remained active in activities intended to brighten the attitudes of young people, to prevent delinquency, and to assist young people make a new start.
Recommended by: BBS Federation of Saga Prefecture
 
 BBSは、1947年に京都の学生達から始まった青年によるボランティア活動。児童養護施設などで青少年の学習を指導したり、相談相手を務めたりする。「お兄さん」「お姉さん」といった親密な関係をつくって交流し、健全な心を育てるのが目的の活動である。
 藤佐さんは、佐賀県BBS連盟(県B連)の佐賀地区BBS会(地区B会)に1980年に入会した。それ以後、次々に保護観察所や家庭裁判所・警察・学校・地域などからの依頼の少年・少女達と関わりを持ち、社会に送り出してきた。
 15年ほど前からは地区B会や県B連の若手育成にも尽力し、社会人ばかりでなく地元4年制大学2校にBBSのサークルを立ち上げた。また、全国初の中学・高校生によるJrBBS会も立ち上げ、120人ほどの会員を熱心に指導育成している。
 会員の増強・育成ばかりでなく、活動の質・量共に熱心に研究し、会員のボランティア精神と受け手の子ども達の思いを融合させたアイディアを豊富に取り込み、次々に新しい企画を活動として地域に提供している。
 最近、藤佐さんが活動で重視している事に「虐待・ネグレクト(育児放棄)」がある。かつて活動で佐賀児童相談所で関わった幼児が、退所後に母親から虐待により3歳という幼い命を落とした事件があった。その裁判を傍聴し、容疑者である母親の元に何度も面会に行き、手紙のやり取りをして支え続けた経験などを踏まえて、4年前からボランティア体験、もの作り体験など種々の体験を通して、「じぶん探し」を行うためのセミナーとして、小中高校生を対象として「少年ボランティア体験セミナー『You友遊』―おいでよ!!じぶん工房」の活動を開始し、民間ボランティアとして地域の子ども達の自立支援活動を充実させている。
 
 
受賞の言葉
 『この指とまれ』と、日本の荒んだ子どもたちの心に寄り添う為に全国の青年たちに繋がり、敗戦後から59年が経ちました。次世代を担う子どもたちの為に心を尽くしてきた多くの仲間たちと受賞を感謝します。一人でも多くの子どもと向き合い、その子どもたちが次の時代の子どもたちの支えとなるように育むことを、今後も旨に頑張ってまいります。
 この喜びを佐賀県BBS連盟と全国のBBS連盟の仲間に、そして故古川健次郎日本BBS連盟前会長に捧げます。
 
佐賀県BBS連盟
 
ふれあい活動
 
こども達とお料理
 
こども達とバルーンで遊ぶ


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