(3)家電小売店
(1)玄海諸島への家電販売実績
アンケートに回答のあった事業者のうち、玄海諸島の島民に対して家電4品目の販売実績(2005年度)があるのは8事業者である。なかでもh社が特に多く、年間の販売台数はエアコンが約80台、テレビが約50台、冷蔵庫・冷凍庫が約60台、洗濯機が約60台である。それ以外の事業者については、いずれも10台以下となっている。
表5-5-7 玄海諸島への家電4品目の販売実績(2005年度)
事業者 |
エアコン |
テレビ |
冷蔵庫・冷凍庫 |
洗濯機 |
a社 |
6 |
2 |
2 |
3 |
b社 |
0 |
1 |
2 |
2 |
c社 |
1 |
0 |
0 |
0 |
d社 |
4 |
2 |
3 |
2 |
e社 |
0 |
1 |
1 |
0 |
f社 |
0 |
1 |
1 |
1 |
g社 |
2 |
0 |
2 |
1 |
h社 |
80 |
50 |
60 |
60 |
合計 |
93 |
57 |
71 |
69 |
|
本土から玄海諸島までの4品目の配達方法は、回答のあった全事業者が同様の方法をとっている。配達にあたっては、輸送業者への委託は行わず自社で直接届けており、商品をダンボールに詰めた状態で定期船に積載して海上輸送している。
表5-5-8 玄海諸島までの家電4品目の輸送状況
輸送者 |
海上輸送 |
海上輸送時の荷姿 |
自社で直接 |
定期船 |
ダンボール |
|
(2)玄海諸島からの廃家電の引取状況
a)廃家電の引取実績
2005年度における玄海諸島からの廃家電4品目の引取実績をAグループ、Bグループの別にみたものが表5-5-9である。廃家電の引取実績が最も多いh社では、Aグループ、Bグループともエアコンが各30台、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機が各20台で、4品目で年間約180台を玄海諸島から引き取っている。
廃家電の引取先を島別にみると高島が55台で最も多く、その他の島は年間10〜20台程度となっている。
表5-5-9 玄海諸島からの廃家電4品目の引取実績(2005年度)
|
品目 |
全引取台数 |
玄海諸島からの引取台数 |
Aグループ |
Bグループ |
Aグループ |
Bグループ |
a社 |
エアコン |
|
|
|
|
テレビ |
2 |
|
2 |
|
冷蔵庫・冷凍庫 |
|
1 |
|
1 |
洗濯機 |
2 |
|
2 |
|
d社 |
エアコン |
11 |
5 |
1 |
|
テレビ |
3 |
7 |
1 |
|
冷蔵庫・冷凍庫 |
4 |
7 |
|
2 |
洗濯機 |
3 |
2 |
1 |
|
f社 |
エアコン |
20 |
10 |
1 |
|
テレビ |
40 |
20 |
|
|
冷蔵庫・冷凍庫 |
25 |
20 |
|
|
洗濯機 |
25 |
15 |
1 |
|
g社 |
エアコン |
2 |
|
2 |
|
テレビ |
|
|
|
|
冷蔵庫・冷凍庫 |
2 |
|
2 |
|
洗濯機 |
1 |
|
1 |
|
h社 |
エアコン |
1,200 |
1,200 |
30 |
30 |
テレビ |
1,000 |
1,000 |
20 |
20 |
冷蔵庫・冷凍庫 |
1,000 |
1,000 |
20 |
20 |
洗濯機 |
1,000 |
1,000 |
20 |
20 |
合計 |
エアコン |
1,233 |
1,215 |
34 |
30 |
テレビ |
1,045 |
1,027 |
23 |
20 |
冷蔵庫・冷凍庫 |
1,031 |
1,028 |
22 |
23 |
洗濯機 |
1,031 |
1,017 |
25 |
20 |
|
表5-5-10 島別にみた廃家電4品目の引取実績(2005年度)
|
高島 |
神集島 |
小川島 |
加唐島 |
松島 |
馬渡島 |
向島 |
a社 |
|
|
|
5 |
|
|
|
b社 |
|
3 |
2 |
|
|
|
|
d社 |
|
|
3 |
|
|
2 |
|
f社 |
|
|
|
1 |
|
1 |
|
g社 |
5 |
|
|
|
|
|
|
h社 |
50 |
10 |
5 |
10 |
5 |
5 |
5 |
合計 |
55 |
13 |
10 |
16 |
5 |
8 |
5 |
|
注)島別の引取台数は把握可能な範囲であげているため、表5-5-9の引取台数の合計とは一致しない。
|
b)廃家電の引取手数料
玄海諸島から廃家電4品目を引き取る際の収集運搬料金および引取手数料(リサイクル料金とは別)は、表5-5-11に示すとおりである。
収集運搬料金は事業者や品目によって異なるが、新製品購入時は700円〜5,000円程度、新製品購入時以外の引取では若干高く1,500円〜7,000円程度である。また、引取手数料は事業者によって様々で、全く徴収していない事業者もいる。徴収している場合は、新製品購入時は1,000円〜2,000円程度、それ以外は1,500円〜2,000円程度に設定されている。
表5-5-11 廃家電4品目の収集運搬料金および引取手数料
|
品目 |
新製品購入時の引取 |
新製品購入時以外の引取 |
収集運搬料金 |
手数料 |
収集運搬料金 |
手数料 |
a社 |
エアコン |
4,675 |
|
4,675 |
2,000 |
テレビ |
3,835 |
|
3,835 |
2,000 |
冷蔵庫・冷凍庫 |
4,415 |
|
4,415 |
2,000 |
洗濯機 |
3,415 |
|
3,415 |
2,000 |
b社 |
エアコン/テレビ/洗濯機 |
1,800 |
|
|
|
冷蔵庫・冷凍庫 |
2,000 |
|
|
|
d社 |
4品目共通 |
2,100 |
|
2,100 |
|
e社 |
4品目共通 |
1,890 |
|
2,415 |
|
f社 |
4品目共通 |
2,000 |
|
2,500 |
|
g社 |
エアコン/テレビ/洗濯機 |
1,000 |
1,000 |
1,500 |
1,500 |
冷蔵庫・冷凍庫 |
2,000 |
1,500 |
2,500 |
2,000 |
h社 |
4品目共通 |
730 |
2,000 |
2,100 |
2,000 |
i社 |
エアコン/テレビ |
3,000 |
1,000 |
5,000 |
1,500 |
冷蔵庫・冷凍庫/洗濯機 |
5,000 |
1,000 |
7,000 |
1,500 |
|
c)廃家電4品目以外の引取実績
2005年度における玄海諸島からの廃家電4品目以外の引取実績は、表5-5-12のとおりである。g社では、クリーナー、保温釜を各1台引き取り、唐津市清掃センターで処理を行っている。h社ではFAX、ステレオ等の家電品を約50台引き取り、佐賀市内の廃棄物処理業者に処理委託している。なお、h社では廃家電4品目以外の家電品の処理費用として、排出者から1台あたり500円〜1,000円を徴収している。
表5-5-12 玄海諸島からの廃家電4品目以外の引取実績(2005年度)
|
品目 |
引取台数 |
処理委託先 |
店舗全体 |
うち玄海諸島分 |
業種 |
所在地 |
g社 |
クリーナー |
5 |
1 |
市処理センター |
唐津市 |
保温釜 |
6 |
1 |
市処理センター |
唐津市 |
h社 |
家電品(FAX、ステレオ等) |
600〜800 |
50 |
廃棄物処理業者 |
佐賀市 |
|
(3)玄海諸島からの廃家電の輸送状況
a)玄海諸島からの引取依頼への対応
玄海諸島からの廃家電の引取依頼に対しては、他の新製品を届ける際に合わせて自社が直接引取に行くケース(8件)が最も多く、それ以外に、排出者に当店舗まで直接持ち込んでもらうケース(2件)や、排出者が定期船に乗せて事業者が港まで取りに行くケース(1件)がある。
b)玄海諸島からの海上輸送
玄海諸島から新製品購入時以外に廃家電の引取依頼があった場合、島から本土への海上輸送は、回答のあった全事業者が定期船を利用している。
荷姿はダンボールか、製品をそのまま積載するケースが多い。このほかトラックに積載するケースもある。
表5-5-13 新製品購入時以外の廃家電引取時の輸送状況
海上輸送 |
海上輸送時の荷姿 |
定期船 |
ダンボール(4) |
製品そのまま(4) |
トラックに積載(1) |
|
c)指定引取場所までの輸送方法
自店舗から指定引取場所までの廃家電の輸送方法は、「自社自ら指定引取場所に持込み」が5件で最も多く、次いで「自社で輸送事業者を選定し、輸送を委託」「産業廃棄物処理業者に委託」が3件ずつとなっている。なお、組合または複数の事業者間で連携して共同輸送を行っている事業者はいなかった。
図5-5-9 
|
自店舗から指定引取場所までの輸送方法(複数回答、N=10)
|
(4)廃家電の処理・輸送に関する問題点
a)廃家電の引取にあたっての問題点
玄海諸島から廃家電を引き取る際の問題点として、「島内に廃家電の不法投棄がみられる」ことや、「廃家電のリサイクルについて、住民の理解が得にくい」ことがあげられている。
図5-5-10 廃家電の引取にあたっての問題点(複数回答、N=4)
b)廃家電の本土への輸送にあたっての問題点
玄海諸島から、廃家電を本土まで輸送する際の問題点としては、「海上運賃が高い」ことが5件で最も多く、そのほか「島内の排出場所が分散しており、収集・運搬にかかる負担が大きい」ことや「島内での一時保管場所のスペースが少ない」ことがあげられている。
そのほか選択肢として、廃家電の一時保管による景観上の問題や、港湾利用上の制約、船舶の欠航、希望する船舶や輸送容器の手配の問題、一回の輸送に十分な貨物量の確保などをあげたが、これらについては特に指摘はなされなかった。
図5-5-11 廃家電の本土への輸送の問題点(複数回答、N=6)
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