| はしがき  本報告書は、当センターが日本財団の平成18年度助成事業として実施した「玄海諸島における静脈物流ネットワークのあり方に関する調査研究」の研究成果をとりまとめたものであります。  わが国では、循環型社会形成推進基本法の制定から6年が経過し、市民、リサイクル関連事業者、行政が連携して、ごみの発生抑制(Reduce)、再使用(Reuse)、再生利用(Recycle)のいわゆる「3R」を一層推進して、循環型社会を構築していくことが求められています。しかしながら、離島では島内で十分な廃棄物処理施設やリサイクル施設が整備されていないケースが多く、廃棄物処理やリサイクルを適切に行うためには、本土での処理・リサイクルに依存せざるを得ない面があります。このため、多くの離島を擁する九州では、海上輸送を含めた効率的な静脈物流ネットワークの形成が重要な課題となっています。  静脈物流の実態やニーズは、離島の規模、離島航路の状況、廃棄物処理・リサイクル関連事業者の立地状況などによってさまざまであることから、関係事業者や関係自治体における廃棄物やリサイクル財の処理・輸送・保管の現状やニーズを具体的に把握した上で、各離島の特性に応じた廃棄物処理、リサイクルのあり方と、その実現にあたって求められる静脈物流のネットワークのあり方を明らかにする必要があります。  こうしたことから、本調査では佐賀県の玄海諸島(高島、神集島、小川島、加唐島、松島、馬渡島、向島)を対象として採り上げ、島民、廃棄物処理・リサイクル関連事業者、離島航路事業者、地方自治体へのアンケート調査・ヒアリング調査を実施して、離島における静脈物流の現状、問題点および今後の意向を把握した上で、玄海諸島における静脈物流ネットワークのあり方を提案しています。  関係事業者や関係自治体が離島の特性に応じた循環型社会の形成を推進していくにあたって、この報告書が関係者の方々の業務遂行にいささかなりともご参考になれば幸いに存じます。  おわりになりましたが、本調査研究をとりまとめるにあたって終始ご指導、ご協力を頂きました熊本大学法学部法学科 外川健一教授をはじめ委員各位、関係官公庁並びに調査にご協力頂きました、廃棄物処理・リサイクル関連事業者、離島航路事業者および関係の方々に、改めて御礼申し上げます。   平成19年3月 財団法人 九州運輸振興センター 会長 田中浩二   玄海諸島における静脈物流ネットワークのあり方に関する調査研究委員名簿 (順不同・敬称略) 委員長 外川健一 熊本大学 法学部 法学科 教授 委 員 中島伸次 (社)佐賀県産業廃棄物協会 唐津・伊万里支部長 〃  行武文英 (社)佐賀県自動車整備振興会 専務理事 〃  石田 惠 唐津地区海運組合 理事長 〃  浦丸 護 佐賀県旅客船協会 会長 〃  竹下晴男 唐津市 地域振興部 離島振興課長 〃  平石力男 唐津市 市民環境部 リサイクル推進課長 〃  中田重則 唐津市 市民環境部 清掃業務課長 〃  峯 治生 唐津市 農林水産部 水産課長 〃  中島博文 佐賀県 くらし環境本部 廃棄物対策課長 〃  久保 修 佐賀県 県土づくり本部 交通政策部 空港・交通課長 〃  吉岡悦郎 佐賀県 県土づくり本部 交通政策部 港湾課長 〃  鐘ヶ江幸博 佐賀県 県土づくり本部 農山漁村課長 〃  河内博志 九州運輸局 交通環境部長 〃  清水照久 九州運輸局 海事振興部長 〃  山下 洋 九州運輸局 佐賀運輸支局 次長 事務局 友松靖生 (財)九州運輸振興センター 専務理事 〃  池本朋子 (財)九州運輸振興センター 調査機関 原田昌彦 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 国土・地域政策部 主任研究員 〃  福塚祐子 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 国土・地域政策部 副主任研究員 〃  尾島有美 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 国土・地域政策部 研究員 |